政治哲学の諸問題3

「岩波講座 政治哲学」の第三巻を紹介します。今回は、近代の政治思想を特徴付ける自由主義と社会主義を軸に構成されます。ここまでの巻を見てきて感じるのは、この講座は、思想史という観点での政治哲学の扱い方をしているという点です。もちろん、政治哲学を論じる上で、政治哲学史・政治思想史は不可欠の前提ではありますが、両者は必ずしもイコールではないはずです。その点が、この後の巻でどうなるでしょうか。

宇野重規ほか編
『近代の変容』(岩波講座 政治哲学3)
岩波書店、2014年。

序論(宇野重規)

Ⅰ 自由主義の多様性
1 ベンサム──功利主義における倫理と政治(小畑俊太郎)
2 ジョン・スチュアート・ミル──功利主義と代議制(小田川大典)
3 コンスタン──立憲主義の基礎づけを求めて(堤林剣)
4 トクヴィル──権威と自由をめぐる考察(高山裕二)

Ⅱ 社会思想の諸展開
5 プルードンとアナーキズム──〈政治的なもの〉と〈社会的なもの〉(森政稔)
6 ナショナリズム──国民国家とは何であったのか(杉田孝夫)
7 ニーチェ──「神の死」以降の宗教と国家(鏑木政彦)

Ⅲ 新たなる紐帯の模索
8 プラグマティズム──習慣・経験・民主主義(宇野重規)
9 連帯の思想──福祉国家の哲学的基礎(田中拓道)
10 社会民主主義──J・A・ホジスンにおける社会主義と民主主義(山本卓)

 どの思想系譜に現代のキリスト教政治思想の可能性を接続するのかについては、思想史的な考察を土台にしつつも、まったく別の思惟を展開することが必要であろう。
 岩波講座は優れた試みを多く生み出してきたが、やや質的な低下は見られないか?
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