モノ学と宗教研究

 宗教研究は、一方で宗教思想などでそうであるように、哲学や思想の分野に近接している。しかし、宗教研究が、そうした思想系の研究と完全に重なることがないのは、宗教研究は、宗教を研究対象としており、それは、具体的な事象、出来事との、あるいは「モノ」との関わりを保持するものだからである。宗教研究は、「モノ」を視野に入れて営まれる学問的営みと言える。こうした研究関心に近いところで研究を精力的に展開しているのが、「モノ学・感覚価値研究会」であり、先日、代表の鎌田東二先生から、関連の研究報告書を2冊、献呈いただいた。ここに、鎌田先生に感謝する共に、内容を簡単に紹介してみたい。

『モノ学・感覚価値研究』第9号
2015.3.31。

『モノ学・感覚価値研究』第9号刊行に際して (鎌田東二)

第1部 こころのワザ学
  第一章 「こころの練り方」探究事始め その五 安部公房と三島由紀夫を中心に (鎌田東二)
  第二章 ポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホ、ジョルジュ・スーラ
        における写真の影響の比較研究 (秋丸知貴)
  第三章 モノ学・感覚価値研究会アート分科会/京都大学こころの未来研究センター
        連携研究プロジェクト二〇一四年度活動報告 (大西宏志)

第2部 第五回東日本大震災プロジェクト──こころの再生に向けて
     シンポジウム「震災後の自然と社会」
        田中克+草島進+島薗進+金子昭+大西宏志+鎌田東二

第3部 身心変容技法の比較宗教学
     大荒行シンポジウム/「大荒行」身心変容技法研究会
        田中利典+星野尚文+高木亮英+戸田日晨+倉島哲+町田宗鳳+小西賢吾+
        棚次正和+奥井遼+津城寛文+アルタンジェラ+篠原資明+井上ウィマラ+
        水沢哲+鶴岡賀雄+鎌田東二ほか

 特に、第3部の「大荒行シンポジウム」などは、まさに画期的な試みであり、熱気が伝わってくる。宗教研究者から実践者まで。こうした研究活動が何を生み出すかについて、今後に注目してゆきたい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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