『学術の動向』から

日本学術会議『学術の動向』2015.4が届きました。日本学術会議の議論は、日本における研究者が何を考え何を問題にしているのかを示すものの一つです。
 今回の特集は、次の二つ。
【特集1〗減災の科学を豊かに── 多様性・ジェンダーの視点の主流化に向けて
【特集2〗〈若者〉と法

 この内、特集1を紹介します。まず、掲載の論考は以下の通り。

「減災の諸科学における多様性・ジェンダーの視点」(池田恵子・特任連携会員・静岡大学教育学部)
「防災減災におけるジェンダーと科学」(大西隆・日本学術会議会長・豊橋技術大学学長)「原発災害危難から考える多重市民権」(今井照・福島大学行政政策学類)
「移住女性の震災経験から問う日本の課題──なぜジェンダー平等と多様性が減災につながるのか」(李善姫・東邦大学東北アジア研究センター)
「多様性・ジェンダーに配慮した住宅再建の課題」(佐藤岩夫・会員・東京大学社会科学研究所)

 この特集の面白さ、重要さは、「減災」と「多様性」を積極的に関連づける点にあります。社会・共同体の安定度は、しばしば統一性や単一性といったイメージで捉えられることがあると思いますが、モノカルチャー社会が思いの外脆弱であることは重要な論点です。健全な社会と多様性とは本来結びつけられる必要があるということです。
 自然災害は人間の努力で回避できないという点で、いわば不可避的ですが、それを減災することは人間の努力で可能であり、ここに力を集中する必要があります。ハード面からの対策(国土を強靱にする?)は一定程度必要ですが、それは経済的な側面からまた政策的な面から限界がありますし、むしろ、「多様性」を賢く機能させることがポイントである、この発想が大切です。そして、多様性の中に、「ジェンダー」「平等」が位置している、表題だけからもいろいろなことが読み取れます。
 こうした議論を活発に行い、政策提言をなしうるとすれば、日本学術会議は重要な存在ということになります。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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