『福音と世界』から

『福音と世界』2015.5、が届きました。今回も、内容の簡単な紹介をいたします。

特集:教会と憲法、人権と平和
 教会に関わるテーマが連続して特集されてきましたが、今回は、5月に相応しい「憲法」との関連です。教会は包括的な存在であり、さまざま問題連関において問題にすることができる。そして、5月は当然、憲法。

・「政治における嘘と立憲主義」(遠藤比呂通)
・「武力で平和は作れない──危機的状況の中で考える」(鈴木伶子)
・「新約聖書のパシフィスト・ヴジョン──聖書的「積極的平和主義」を目指して」(河野克也)
・「日本国憲法第九条 北東アジアの平和の礎──アジアとアジアを超えて」(オラフ・フィクセ・トヴェイト)
・「寄留の牧者・神学者 李仁夏牧師──移住民の神学の素材として」(関田寛雄)
 
 今回の特集は、それぞれ読み応えのある論考であったが、特に、李仁夏牧師についての関田先生の文書が心に残った。李仁夏『寄留の民の叫び』(新教出版社、1979年)は、繰り返し読み直すべき著作である。また、記憶では、『希望の旅路―聖書に聴く「老い」』(日本基督教団出版局、2001年)に李牧師の説教が収録されていたはず。

次に、連載へ。
・一色哲「南島キリスト教史入門」7
 「再伝道初期における社会構造の変遷と沖縄のキリスト教の諸相(1)」

「戦前の沖縄の新聞には、キリスト教の集会広告やクリスマスなどの教会行事、伝道者の来島などの記事がよく見られる。それほど、当時の沖縄の人びちのキリスト教に対する関心は高かった」、「後発・マイノリティとしてのキリスト教」、「なにより重要なのは、仏教が主導する「文明の宗教」とは違ったコンセプトの伝道がいかに行われていたかである。」

・内田樹「レヴィナスの時間論」:「『時間と他者』と読む2」
「レヴィナスは哲学史的にはフッサール現象学の直系に連なる」、「主体の権能を「差し控える」ということ。フッサール現象学からレヴィナスが学び得た最も生産的なアイディア」、「共感」、「レヴィナスがフッサールに見出したのは「未知の思想」ではなかった。レヴィナスが見出したのは、そこではっきりとは言っていないけれど「既知の思想についての新しい方法」であった」、「彼が幼児期から呼吸してきたユダヤ教の宗教的伝統を通じて既に知っていたことを、より厳密な哲学の言葉で記述できるかどうかを確認に行ったのである」、「おそらくレヴィナスは「差し控え」についての知を「アブラハムとヨブ」の物語から学んでいたというのが私の仮説である」。
 
 興味深く、説得的な仮説である。

 なお、今回から、次の連載が開始。
・来住英俊「宣教学・事始め1」、「(1)宣教者の心理学」
 通常の宣教「学」とは雰囲気が違う感じ。
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