『キリスト教文化』より

『キリスト教文化』2015春(かんよう出版社)が、届きました。内容を紹介します。

 まず、特集企画は「中国のキリスト教を考える」です。中国は政治経済においてだけでなく、キリスト教においてもその動向が注目される地域であり、すでに数的には、東アジア最大のキリスト教人口を擁しています(日本よりも、まさに桁違いに多い)。今回の特集では、中国キリスト教研究の現在の主なる視点である「歴史」を中心としたものであり、いわば、中国キリスト教史の特集といえる内容です。わたくしとしては、こうした歴史の基礎研究を土台にして、その先の多様な視点・文脈での中国キリスト教研究の展開を期待したいと思います。少なくとも、思想史に近いところでの研究が今後の課題といったところでしょうか。収録の次の論考です。

「公認教会の原型──明末清初期のカトリック教会」(桐藤薫)
「十九世紀前中期のキリスト教伝道と中国の近代化」(倉田明子)
「清末民初の中国社会とキリスト教──一八六〇年から一九一一年まで」(渡辺祐子)
「中華民国の社会とキリスト教──一九一二年から一九四九年まで」(石川照子)
「中華人民共和国におけるキリスト教──一九四九年から現在まで」(松谷曄介)
「韓国のキリスト教受容過程における中国のキリスト教の影響」(李恵源)
「詩編二三編で読む中国語・日本語・韓国語聖書」(李桓珍)

 特集のほかに、「特別掲載」として次の論考が収録されています。「歴史」「東アジア」とともに、本誌の特徴とも言える「社会」というキーワードに関わるものです。
「沖縄から民主主義を」(宇佐美睦朗)
「宗教運動における社会運動の明暗」(崔亨黙)

そのほかにも、レポートや連載と多彩な内容の企画が収録されているのが本誌の特徴ですが(文化とは複合的で多様多形的なものであるから。キリスト教自体もそうですが)、連載としては、たとえば、次のものにおいては、興味深い議論が展開されています。
・竹野一雄「C・S・ルイスの遺産(五)〈神の属性〉」
・川中子義勝「矢内原忠雄──歿後五〇年を経て改めて読み直す(四) 矢内原忠雄における学問と信仰」
・鄭玹汀「明治日本の社会的キリスト教(三)──地上における〈神の国〉を求めて」

 なお、本号だけでなく、バックナンバーも、京都大学キリスト教学研究室の書架に寄贈いたしました(『福音と世界』の近く)。関心のある方は、ご覧下さい。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR