学会誌の意義

 研究者として活動をはじめるときに、重要になるのは学会への所属である。学会に所属し、その活動に参加することが、研究者としての活動し、研究者として認知される上で、決定的な意味を有すると言って過言ではない。
 多くの学会は、学術大会開催と学会誌刊行という二つの活動を中心にしているが、研究者は、学術大会で研究発表を行い、学会誌への掲載を目指して論文投稿などを行う。これが研究者としての活動の形式にとって多くの場合要求されるものであり、これを行わない場合、つまり、学会に所属しない場合、研究者として認知されることが困難になる(研究者として認知されることがどれほどの意味があるかについては、別の議論が必要かもしれない)。

 というわけで、研究者にとって所属学会の学会誌が重要な存在できることは了解いただけたとして、では、学会誌とは何であろうか。わたくしも、これまで学会誌にはさまざまお世話になり、ある時期からは、編集委員や編集委員長として関わることが多くなった(現在、二つの学会誌の編集委員長と一つの学会誌の編集委員を務めている)。学会誌は、きわめて身近な存在である。
 では、学会誌の機能とは何であろうか。わたくしがこれまで関わってきた学会誌に、日本宗教学会の『宗教研究』と日本基督教学会の『日本の神学』が存在する。それぞれ、典型的な学会誌であり、学会の諸活動や会員異動の情報などが掲載されるほかに、中心は、研究論文と書評に置かれている。若手研究者にとってこれらの学会誌への論文掲載は一つの目標であり、書評に取り上げられるような著作を刊行すること、また書評論文を書くこと、いずれも大きな関心事であると思われる。(そして、研究論文の選定や書評対象書の選定には、それぞれの学会に個性・伝統が表れることになる。)
 学会誌は、学会という公共圏で展開される研究活動の中心的な場の一つであり、学会メンバーの相互交流(共通性)であると同時に、学会外部に開かれた「現われの世界」なのである。
 
 本日、わたくしもかなり以前に編集委員を務めたことのある日本宗教学会の『宗教研究』の最新号(第89巻 382-1)が届いた。必ずしも一貫した態度ではないが、わたくしのこの学会誌の最近の読み方は、書評を中心に読むというものである。特に、自分の専門分野ではないが、知っておくべき新刊書をその内容の説明(つまり書評)とともに確認し、必要ならば購入する手掛かりとするということである。専門分野以外の領域に関して、日本語による優れた研究書に接するのは、きわめて有益である。今回の『宗教研究』にも、19本の書評が掲載されている。すでによく知っている文献もあるが、はじめて知ったものも少なくない。この知っている文献を、この人はどのように書評しているか、ということも、書評を読む楽しみの一つである。(書評には一定のスタイルがあるものの、そこにはやはり書評者の個性が表れる)。

 現在、編集委員長を務めている、日本基督教学会の『日本の神学』の方は、54号の原稿がほぼ揃いつつあり、9月下旬に向けた作業は順調に進んでいる。関係の方は、9月下旬をお楽しみに(54号から刊行時期は、学術大会前ではなく、9月下旬になりました。)
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