死者儀礼と現代

 死者儀礼は、現代の宗教文化を分析する上で重要な視点の一つであり、本ブログとの関連でも、家族、東アジアなどの連関から取り上げてきた。また、キリスト教研究とフィールド調査という方法論を結びつける上でも典型的なテーマ設定となる。
 宗教研究などでも、死者儀礼については多くの研究が公にされてきているが、今回、次の文献を紹介したい。現代日本の死者儀礼を語る際には欠くことのできない葬祭業が取り上げられている点で、また研究方法論についてのまとまった考察が行われている点で、興味深い。

山田慎也
『現代日本の死と葬儀──葬祭業の展開と死生観の変容』
東京大学出版会、2007年。

序章 葬儀とは何か──葬制研究の対象と方法
 第1節 葬制研究の対象
 第2節 葬制研究の展開と本書の視点
 
第1章 共同体の中の死と葬儀──新潟県佐渡市関の葬儀から
 第1節 死を準備する人生──葬儀とその社会的基盤
 第2節 生者にとっての死の予兆

第2章 変わりゆく葬儀──和歌山県串本町古座の葬儀から
 第1節 葬儀の変容と地域社会
 第2節 香典を辞退すること──葬儀を支える関係の変容
 第3節 葬祭業者を利用することとは──死の変換の外在化の過程

第3章 葬祭業者の成立とその展開
 第1節 葬祭業の成立とその様態
 第2節 葬祭業者の社葬と地域社会
 
第4章 代行される葬儀──利用者からの視点
 第1節 文書資料から見た葬祭業の利用
 第2節 知識の提供者としての葬祭業

第5章 儀礼空間の創出と死の意味づけ
 第1節 死を変容させるもの──輿から祭壇へ
 第2節 行く末よりも来し方を──生花祭壇における死者の表現

終章 エージェントとしての葬祭業者

参考文献
あとがき
資料・写真出典一覧
索引

 わたくしは、京都で学生生活を送るようになった際に出席していた教会が規模の大きな教会であり、しばしば葬儀が執り行われ、その手伝いをする機会が少なくなかった(結婚式も同じくらいあったが)。その際に、葬儀を行う上で不可欠の役割を果たしていたのが、葬祭業者(公益社)であり、葬祭業者をテーマ化し、死者儀礼の変容を論じる研究は、なじみの事例という感がする。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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