英語圏の宗教哲学、補足

 昨日の英語圏の宗教哲学について、これまで本ブログで紹介文献を再度取り上げることによって、補足します。
 日本における哲学・宗教哲学・キリスト教思想の分野では、明治から大正期へ移行する中で、ドイツ語圏の思想が中心に位置づけられ、英語圏の思想は、やや周辺的なあつかいになってきたと思われます。その理由はさまざまに考えるとしても、当時の(19世紀以降の)ドイツ語圏の学的水準の高さから考えれば、ある程度納得できることではあります。
 しかし、その偏りは、現在もなお修正を要するようにも感じられます(哲学全般については、すでに十分修正されているとも言えるでしょうか)。ドイツ語圏の思想家について活発な研究がなされていることは、日本の思想研究の特徴であり、それ自体はさらに進展させるにせよ、宗教哲学との関連でも、ロックやヒュームなどを本格的に取り上げる研究がもっとあってしかるべきはずです。

 こうした点に関心のある方は、本ブログでも過去に取り上げた、次の文献を参照するところからはじめては、いかがでしょうか。

・Philip L. Quinn and Charles Taliaferro (eds.),
A Companion to Philosophy of Religion,
Blackwell, 2008 (1997).

なんいっても、英語圏の宗教哲学の全体像を概観するのは、便利。

・Neil Tennant,
Introducing Philosophy. God, Mind, World, and Logic,
Routledge, 2015.

 哲学入門となっていますが、第三部(pp.211-268)では、The Existence of God というタイトルのもとで、宗教哲学・自然神学に関わるまとまった議論がなされています。

・Russell Re Manning (ed.),
The Oxford Handbook of Natural Theology,
Oxford University Press, 2013.

 日本では、自然神学を「神学」と理解し、キリスト教神学と自然神学は対立すると考えている人々もみられますが、基本的に自然神学は哲学の一分野と考えた方が思想史的に適切です。そもそも、「神学」は古代ギリシャ起源であり、哲学者こそが自然神学の議論に取り組んできたわけです。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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