ハイデッガーとキリスト教1

 ハイデッガーはその評価は大きく分かれる哲学者であるが、決定的な影響力と意義についてはまさに20世紀を代表する哲学者と言いうる人物の一人である。キリスト教思想との関わりも深くまた広範に、そして多岐にわたっている。ハイデガーとキリスト教というテーマはさまざまな内容に展開可能な興味深い研究テーマである。本ブログでも、このテーマについて、限定された範囲においてではあるが、連載の形で記事を書いてみたい(仕事の関係上ということでもあるが)。

 第一回目は、ずばり「ハイデッガーとキリスト教」というタイトルの著書が比較的最近翻訳された神学者を取り上げたい。まずは、その著作から。

ジョン・マクウォーリー
『ハイデガーとキリスト教』
勁草書房、2013年。

はじめに
第一章 経歴と初期の著作
第二章 日常的な非本来的実存 
第三章 覚悟した本来的実存
第四章 形而上学と神学
第五章 物と技術と芸術
第六章 思惟と言語と詩
第七章 ただ神のごときものが我々を救うことができる
第八章 残された問題
   第一節 ハイデガーを翻訳すること
   第二節 ハイデガーと国家社会主義
   第三節 ハイデガーと神秘主義

役者付論 『存在と時間』と実存主義的神学──ハイデガーとブルトマン 
訳者後書き
文献法
  Ⅰ.ハイデガー著作一覧 
  Ⅱ.ハイデガー関係文献一覧
  Ⅲ.ハイデガー著作翻訳一覧(訳者作成)

  Ⅰ.原著者注 
  Ⅱ.訳者注
  Ⅲ.訳者付論注
索引

 それほど大きな著作ではないが、「ハイデッガーとキリスト教」というテーマにまさに即した内容のものである。著者は、ユニオン神学校でのティリッヒの後任であり、また『存在と時間』の英訳者の一人である。著者名(John Macquarrie)については、これまでの邦訳では、「マッコーリー」との表記が普通であったが、上記では、今回の邦訳での表記で記載した(人名のカタカナ表記は難しい。わたくしもこれまで何度も失敗した経験がある)。

 マッコーリーについては、今回だけでなく、あと数回にわたる紹介が可能であるが、まず、次の著作の著者であることを強調しておきたい。

John Macquarrie,
Gog-Talk. An Examination of the Language and Logic of Theology,
The Seabury Press, 1967.

 これは、「God-Talk」という用語で「神学」の基本的性格を示すという試みの最初のものと思われるが、「教義学」の言語的特性を論じる上できわめて重要な提案である。たとえば、ティリッヒは、1920年代後半のドレスデン講義で、教義学について、「学的な語り」(Rede)という規定を与えた。神学における基本的な言語は、概念が、Talk、Rede、語りという特性を有している点にあるのではないだろうか。というわけで、「神の語り」は誤訳とまでは行かなくとも、意味が伝わらない訳語である。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR