仏教思想の動向から

 本ブログで、仏教思想自体を論じることは稀であるが、今回は、昨日、御寄贈いただいた新しい文献について、紹介することにしたい。それは、わたくしが学生時代よりお世話になった、長谷先生の最新の論集である。長谷先生が京都大学文学研究科の宗教学講座の助教授であった頃から、特殊講義(リクール、ヴェイユ、カントなどの講義が特に印象に残っている。わたくしが、リクールに関心を持つようになったのは長谷先生の影響である)を聴講し、その後も一方的にお世話になるばかりで、こうして御著書をお贈りいただき、恐縮する次第である。長谷先生は、京都大学から大谷大学に移られてから、これまでのフランス宗教哲学に加え、浄土系仏教の研究を深められ、すでに、『欲望の哲学──浄土教の世界』、『心に映る無限──空のイマージュ化』、『浄土とは何か──親鸞の思索と土における超越』という論集を刊行されている(いずれも、法藏館から出版)。

 わたくし、先生の研究についてコメントする能力はないので、ともかくも、目次によって内容の紹介としたい。

長谷正當
『本願とは何か──親鸞の捉えた仏教』
法藏館、2015年。



I 釈尊の正覚と弥陀の本願
・親鸞の仏教史観としての浄土真宗──「釈尊が弥陀の本願を説いた」とはどういうことか
・本願の思想とその淵源
・弥陀の本願はどこにはたらくのか──宿業の大地と本願
・釈尊の正覚に映った弥陀の本願──入涅槃から大般涅槃へ

II 本願の信
・本願の信と自信──自己を証しすること
・七地沈空とその超出をめぐって──曽我量深の信と思索
・奥深い存在の「呼び求める促し(Das Ereignis)」(ハイデッガー)と「仏の呼び声」(西田幾多郞)としての弥陀の本願
・自己を「証しする」(attester)ものとしての弥陀の本願

III 本願の回向の思想
・親鸞の回向の思想──表現としての回向
・親鸞の二種回向の問題

付録
 付録I 田邊哲学と親鸞の思想──種の論理の挫折とそれの新しい立場からの展開
 付録II 高坂正顕著『歴史的世界』解説

初出一覧
引用・参考文献

あとがき

 全体が三部構成であり、それそれの中に示したのは、章タイトルである。それ以下の区分は省略。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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