ハイデッガーとキリスト教4

 今回は、「ハイデッガーとキリスト教」というテーマにおいて、日本語で読める文献を紹介します。すでに、マッコーリーの『ハイデガーとキリスト教』(勁草書房)は紹介した通りですが、そのほかにも、比較的最近の翻訳研究書としては次のものが目に付きます。

ディディエ・フランク
『ハイデッガーとキリスト教──黙せる対決』
萌書房、2007年。

 この文献は、表題から見て、ずばり「ハイデッガーとキリスト教」なわけですが、このテーマを正面から論じた部分は意外に少ないというのが、率直な印象です。それだけに、このテーマは、そう容易でないということを意味しているとも言えます。
 むしろ、このテーマを掘り下げる上で、必読書とも言えるのが、次の文献です。このテーマに取り組む方は、ぜひこのレベルを前提に議論を行っていただきたいと思います。

マルレーヌ・ザラデル
『ハイデガーとヘブライの遺産──思考されざる債務』
法政大学出版局、1995年。

 この研究も邦訳されて20年がたつわけですね。

 そして、翻訳ではなく、日本人研究者が公にしたこの分野の代表的な著作として挙げられるべきは、次のものです。この文献は、出版後、構成を微調整し、章の追加と序論の拡張を行った上で、京都大学大学院文学研究科に提出され、京都大学博士(文学)の学位を取得されました。論文博士(2013年)です。

茂牧人
『ハイデガーと神学』
知泉書館、2011年。

序文

第一部 ハイデガーと神学
  第一章 初期フライブルク時代の神学的考察
  第二章 哲学と神学──マールブルク時代のブルトマンとの対話
  第三章 神の思索
  第四章 言語論と痛みとしての否定神学
  第五章 ヘルダーリン論と神を超える自然
  第六章 シェリング論と無底の神学
  第七章 真理論と否定神学
  第八章 存在と神を結ぶもの──Abgrundの思索

第二部 ハイデガーの思索から宗教哲学へ
  第九章 傷による赦しの宗教哲学
  第一〇章 キリスト教哲学の可能性

あとがき
参考文献
索引
欧文要旨

 日本語の文献も、学位論文や雑誌論文となると、どのように研究状況を整理分析すべきだろうか。サーベイ論文が必要と思われる。 
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