矢内原忠雄から(3)

 今回紹介は、矢内原忠雄「社会の理想」(『国家の理想』412-423頁、『改造』第23巻第1号、1941年1月)です。
 戦時評論集『国家の理想』の中でも、「国家の理想」との連関で読まれるべき、重要な論考です。「理想の発見」自体の議論がまとまって展開されています(「1」の部分)。
 ただし、今回は「1」以外は簡単な抜き書きにとどめます。「4」はもう少し詳細な扱いが必要でしょう。


「人は生活の中から理想を追求してゐる」、「その目的の目的たる窮極目的即ち理想」、「一度び理想が明確なる意識にもたらされる」
「理想の発見」(412)
「或る生産関係と或る社会組織」、「生活意欲とその旧来の生活方式たる生産関係及び社会組織との間に存したる調和が失はれ」「転換期」(412)
「変革は或る意味に於いて現在の否定」、「変革は否定よりも寧ろ建設でなければならない」
「社会が如何なる方向の線に沿って有効的に変革されるべきかは、大体に於いて社会科学的に認知し得られる事柄に属する」、「科学的法則の認知」(413)
「転換期の社会」
「新なる社会は社会変革として、社会そのものの内部からのみ起生する如く、新なる理想は思想の変革としてのみ発見される」、「社会変革の勢は思想変革を刺戟し、思想変革は社会に対して理想を供給する。変換動揺の時機に於いて理想を喘ぎ求むる社会に対し、『たましひ』を吹き込む働きをするものが思想革命である。而してその任務を負担するものは哲学と宗教である」(414)


(ウェーバーの『資本主義の精神』)
宗教改革、信仰から始まった
個人の発見、個人主義・自由主義


(理想としての全体主義)
「資本主義が自由競争から独占段階へ進展したること」
「革新の方向標」「全体主義」(418)
「全体主義は全体によりて全体の為めに全体が立つの主義」「全体主義の中にデモクラシーを思想が包摂されて居る」
「全体主義の統制に対する服従は全体の目標に向かつての個人の自発的協力」(419)
「指導者たつ者によりて政治を行ふのが、デモクラシーに対する全体主義の新方式」、「指導者たる者」「全体の表現者として、明確なる自己の責任を以て、山の上に立つ城の如く屹立し、人仰いで之に信頼するにたる人格者でなければならない」(420)


(全体の議論のまとめ)
「現代の宗教改革は『全体』を発見しなければならない」
「社会は宗教の純粋を要求するのである」(422)
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