『学術の動向』から

『学術の動向』2015.8(日本学術会議)が、届きました。
 日本学術会議は、なかなかその活動や存在意義が外部からは見えにくい組織と思われるが(ここに問題がある)、それに関与する中で、その意味について、少しずつ理解できるようになってきた。
 日本の原子力政策の方向が決定される1950年代には原子力の平和利用で提言を行い、また、先日は、文科省(財務省が、そして財界が)が推進しようとしている、いわゆる大学における人文社会科学の役割の見直しに対して、それを批判的に問うシンポジウムを開催している。
・公開シンポジウム「人文・社会科学と大学のゆくえ」(7月31日)
歴史教育の明日を探る―「授業・教科書・入試」改革に向けてー(8月1日)

 こうした日本学術会議の活動を広報するのが、『学術の動向』の役割の一つの思われる。
 そこで、今回の特集であるが、特集「東日本大震災からの水産業および関連沿岸社会・自然環境の復興・再生に向けて」と特別企画「2015 JAPAN PRIZE」の二つである。

 キリスト教思想と直接関連した内容とはいえないが(JAPAN PRIZEは「国際科学技術財団」によるものであるが、今回の特別企画は授賞対象者と業績の紹介が中心。ただし、この賞が「人類の平和と繁栄のために」ということであれば、軍事協力研究は授賞対象とはならないということになるだろうか)、特集(8本の論考が掲載)の方は、日本における学術研究が視野にいれるべき内容と言える。
 たとえば、影山智将「水産基盤(含む防潮堤)復旧の現状と課題」では、その最後に「今後の課題」がまとめられている。
 「自治体職員の不足」「建築技術者、労働者の不足と資材の不足・高騰」「用地取得期間の長期化」「高台移転跡地の利用」「景観、円滑な漁業活動等の観点からの計画の再調節」「集中復興期間終了後の費用負担」「その他」という項目からわかるように、問題は、復興・再生の具体的な計画をいかに推進するかということだけでなく、そもそも、予算と人材が問われていることがわかる。
 たとえば、東京オリンピックとの関わりである。東京オリンピックの関連事業が、東日本の被災地の復旧にマイナスの影響を及ぼさないかということは以前から問題視されてきたことであるが、こうした議論がどこが行うのだろうか。
 日本学術会議は、こうした役割をも担うのだろうか。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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