9月と研究

 9月が目前に迫り、夏から秋が意識される頃になった。これは、研究に関しても同様である。少し前までは(10年といわなくても)、9月はまだ夏の研究集中期間(夏休み)の中にあり、秋は10月からといった気分であったが、今や、9月も、半ばから授業が開始され、わたくしの場合、最初の授業は、18日となる。その前の2週間ほどは、週の後半が、日本宗教学会、日本基督教学会と学術大会が二つ続く。つまり、来週から9月の学会シーズンが始まり、そのまま、授業という形になる。委員会や会議も、9月は通常の月と同様であり、この点で、9月はすでに夏季休暇ではなく、通常勤務モードとなる。

 ということが現在の大学の現実であるとすれば、研究も当然、この中で組み立てられることになる。夏休みの研究集中期間においてやるべきことは、8月中に完了し、9月は新たな開始というべきであろうか。

 9月、あるいは今年度後期の研究計画であるが、9月は、ハイデッガーとキリスト教に関わる身近な文章を書き、一つの論文を完成させるというように、まだ、夏の仕事の延長線上のいくつかの作業を完結させる必要がある。しかし、後期からのテーマもスタートし始める。
 具体的には、本ブログで紹介してきた科研費による研究が締めくくりの段階を迎えるので、年度末の報告書(冊子)の作成に向けた研究を行う。その関連で、いくつかの論文を書き上げる。おそらくは、4本程度となるだろうか。つまり、後期は「自然神学の社会科学への展開」のまとめとなる。
 それとは別に、進められるのは、後期の授業の準備である。たとえば、後期演習では、南原繁の『国家と宗教』を読むことになっているが、精読とまではゆかなくても、演習をスタートさせることができる程度には読んでおくことが必要である。また、新約聖書の演習も、そろそろスタートを意識する必要があるだろう。
 
 以下、南原繁『国家と宗教』について。
 後期の演習では、岩波文庫に再年2014年に収録されたテキストを使うことになるが(全集のコピーを使うこともあり得るが)、問題は、冒頭から順番に読むとなると、後期15回の演習では、やや中途半端なところで終わる恐れがあることである。むしろ、南原も「第三版序」で述べているように、「補論 カトリシズムとプロテスタンティズム」から始め、「第一章 プラトン復興」まで読むのが良いようにも思われる。
 南原の論述は本格的な学術書のスタイルになっており、演習もできるだけ精密な読解を行いたい。関連事項も丁寧に検討し、内容を掘り下げて理解するのが適当である。となると、読むことの出来る分量は限られることになり、「補論」でおわりになるかもしれない。この点は、演習受講者の努力に左右されることになる。

 いずれにせよ、日本の大学に勤務する者は、9月はいつまでも夏気分では研究も教育もうまく回らない、この現実に即応したスタートが求められている。
 キリスト教の伝統では、9月最初の日曜日を「振起日」といって新しいスタートを意識する習慣があるが(わたくしの学生時代までは)、これは、研究者も同様かもしれない。
 
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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