『学術の動向』から

『学術の動向』2015.9(日本学術会議)が届きました。
 学術会議では、大学における文化社会学系部局をめぐる問題や、分野別参照基準の作成など、大学教育に大きく関わる事柄に取り組んでいる最中ですが、今回の特集は、次の二つです。

特集1:現代の雇用危機を考える
特集2:人間力・社会力を強化する情報技術

 特に前者は、9月30日に施行されることになった、労働者派遣法改正法にも関わる問題であり、現実に進みつつある労働者派遣の常態化という事態が何をもたらすかという視点からも議論を行う必要があります。大学でも、派遣労働者の比率はどんどん高まりつつあり、その背景には、人件費削減(派遣労働は人件費に入れなくてよい)と労働者に対する責任の軽減という理由が存在します。しかし、こうした職員の転換が、大学にとって何をもたらすかは、よくよく考える必要があります。おそらくは、研究も教育も質的な低下が生じるものと予想されます(研究と教育が、質の高い職員によって支えられていることを忘れてはならない)。

 特集1に掲載の論文は次の通り。
・遠藤薫「何が彼らを苦しめているのか 雇用条件問題と弱者のネガティブ・ループ」
・宮本みち子「地方圏における若年不安定就業者 親からの自立をめぐる諸相」
・渡辺深「転職とネットワーク 1985年から2002年までの日本の労働市場におけるジョブ・マッチング過程の変化」
・樫村愛子「ネオリベラリズム社会におけるマネジメント・イデオロギー」
・今野晴貴「若年雇用における雇用制度の機能不全 労務管理戦略の変質を中心に」
・西田亮介「無業社会の問題系 若年無業者とその支援の現状から」
・橋本健二「アンダークラスと新しい階級社会」
・堅田香緒里「雇用問題とジェンダー」
・小谷敏「疲弊する公共部門 雇用問題とジェラシー」

 日本の雇用問題は深刻であり、負のスパイラルに入り込んだ感がある。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
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