日本キリスト教思想史研究、方法論2
日本キリスト教思想研究についての方法論を考えるにあたって、これまでわたくしが参照してきた先行研究を振り返っていますが、今回はその2回目です。
前回の近藤研究が、デモクラシーというテーマについて、欧米のキリスト教思想史と日本キリスト教思想史とを関連づけており、こうした問題設定は日本キリスト教思想をキリスト教思想全体の中に位置づける上で重要な試みと評することができた。今回は、平和思想というテーマについて同様の試みを行っている先行研究を取り上げたい。
宮田光雄
『平和の思想史的研究』
創文社、1978年。
神の平和と地の平和
Ⅰ 神の平和と地の平和
Ⅱ 兵役拒否のキリスト教精神史
Ⅲ 近代日本のキリスト教平和思想──内村鑑三の場合
Ⅳ 平和倫理としての生への畏敬──シュヴァイツァーの平和思想
平和の論理と戦争の論理
Ⅴ カントの平和論と現代
Ⅵ クラウゼヴィッツの戦争論と現代
Ⅶ 政治に於ける敵味方の論理
あとがき
人名索引
本論集(宮田光雄思想史論集の第一巻に対応する)は、第三章において内村の平和思想を組み入れていることからもわかるように、日本キリスト教思想を日本という場に制限された特殊問題として扱うのではなく、キリスト教思想の歴史的地平において論じることを試みている。これは、日本キリスト教思想を研究する上で不可欠の視点である。
もちろん、こうした研究にはしかるべき方法論的反省が必要であるが、この点は、宮田光雄『日本キリスト教思想史研究』(宮田光雄思想史論集3、創文社、2013年)を含め、これまで先行研究では必ずしもテーマ化されることはなかった。
ただし、宮田光雄『国家と宗教──ローマ書十三章解釈史=影響史の研究』(岩波書店、2010年)は、この方法論についても一歩踏み込んだ議論を含んでいる。
前回の近藤研究が、デモクラシーというテーマについて、欧米のキリスト教思想史と日本キリスト教思想史とを関連づけており、こうした問題設定は日本キリスト教思想をキリスト教思想全体の中に位置づける上で重要な試みと評することができた。今回は、平和思想というテーマについて同様の試みを行っている先行研究を取り上げたい。
宮田光雄
『平和の思想史的研究』
創文社、1978年。
神の平和と地の平和
Ⅰ 神の平和と地の平和
Ⅱ 兵役拒否のキリスト教精神史
Ⅲ 近代日本のキリスト教平和思想──内村鑑三の場合
Ⅳ 平和倫理としての生への畏敬──シュヴァイツァーの平和思想
平和の論理と戦争の論理
Ⅴ カントの平和論と現代
Ⅵ クラウゼヴィッツの戦争論と現代
Ⅶ 政治に於ける敵味方の論理
あとがき
人名索引
本論集(宮田光雄思想史論集の第一巻に対応する)は、第三章において内村の平和思想を組み入れていることからもわかるように、日本キリスト教思想を日本という場に制限された特殊問題として扱うのではなく、キリスト教思想の歴史的地平において論じることを試みている。これは、日本キリスト教思想を研究する上で不可欠の視点である。
もちろん、こうした研究にはしかるべき方法論的反省が必要であるが、この点は、宮田光雄『日本キリスト教思想史研究』(宮田光雄思想史論集3、創文社、2013年)を含め、これまで先行研究では必ずしもテーマ化されることはなかった。
ただし、宮田光雄『国家と宗教──ローマ書十三章解釈史=影響史の研究』(岩波書店、2010年)は、この方法論についても一歩踏み込んだ議論を含んでいる。
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