日本キリスト教思想史研究、方法論3

 日本キリスト教思想史は、キリスト教思想史全般に属しており、その文脈における議論が必要になる。しかし、同時に日本キリスト教思想史は、日本思想史(特に近代日本思想)と分離しては存在し得ない。したがって、こうした日本の文脈を明確に念頭において研究の方法論的な展開が要求されるのは、当然である。そして、こうした観点における先行研究も少なからず存在している。
 今回は、こうした日本を視野に入れた日本キリスト教思想史について先行研究として、わたくしが参照してきたものを紹介したい。

古屋安雄/大木英夫
『日本の神学』
ヨルダン社、1989年。

まえがき──日本における知性の自立(大木英夫)

第一部 歴史的考察(古屋安雄)
 第一章 序論
 第二章 鎖国とキリスト教
 第三章 開国とキリスト教
 第四章 国際主義と国粋主義
 第五章 キリスト教者のナショナリズム
 第六章 戦争とキリスト者
 第七章 天皇制とキリスト者
 第八章 戦後の新しい日本

第二部 方法論的考察(大木英夫)
 Ⅰ 「日本の神学」序説
 Ⅱ 環太平洋地域のプロテスタンティズム
 Ⅲ 日本の精神的宿題としての聖書
 Ⅳ 日本における神学と神学教育の問題

あとがき(古屋安雄)

 きわめて示唆的で先駆的な共著である。もちろん、歴史的考察では、戦後70年を念頭の置けば、日本のプロテスタントキリスト教史150年の半分弱は、「戦後」であり、「戦後の新しい日本」については、さらに精密な分析が必要な段階であり、また、それ以前の段階の部分も書き直しが必要かもしれない。しかし、基本的な認識は検証すべきものを多く含んでいる。また、方法論的考察も、方法論という点ではより体系的な議論が可能かもしれない。しかし、「環太平洋地域」というテーゼは現在も示唆的であり、研究における具体化を求めている。 
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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