音楽・祝祭空間と宗教

 伝統的社会では、多くの祝祭は宗教的な意味をまとい、宗教的な機能を果たしてきた。しかし、近代は、この宗教との明示的な関連を切断し、祝祭空間を自律的な形で創造する可能性を開き、現代日本ではこのような背景で新たな祝祭空間の創出が行われている。音楽祭はこうしたものの一つであり、新しく作り出された「祭り」はこの典型である。ここに新しい宗教的なものの萌芽を読み取ることができるかどうかは、教務部会研究テーマである。
 こうした問題について考える具体的な手掛かりとなる研究書が刊行された。昨日、いただいたばかりであるが、早速、紹介しておきたい。

山本美紀
『音楽祭の戦後史──結社とサロンをめぐる物語』
白水社、2015年。

序章 自分たちの祭り?

第一章 流浪の民の音楽祭
第二章 音楽祭と大衆文化の間
第三章 冷戦下の音楽祭──フェスティバルの東西対決
第四章 神々の来阪
第五章 祝祭の黄昏──サロンと大衆の分極
第六章 前衛と祭り
第七章 結社と場所の社会学
第八章 祭りの後の祭り
害九章 バブルと音楽祭

終章 グルーバルな箱

あとがき

索引

 宗教研究との思わぬ接点を感じさせる著書であり、多くの考えるヒントを与えてくれる。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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