『学術の動向』から

『学術の動向』2015.10(日本学術会議)が届きました。
 日本学術会議は、日本の科学技術や学問、教育に大きな役割を果たしてきましたが、現状はかなり厳しい状況にあるとの印象を受けます。日本における学術の危機は、あらゆる局面に顕在化しているというべきでしょう。ともかくも、今回の特集は、次の二つです。

特集1:福島原発事故による放射能汚染と森林・木材 Part II
特集2:神話世界を地形地質学的視点で語る新しい分離融合型の地域資源:くにびきジオパーク・プロジェクトの取り組み

 特集1は、現代日本の置かれた現実の中でも継続的な取り組みが必要な問題を扱ったものであり、日本学術会議ならではの企画です。しかし、宗教研究という観点からは、特集2が注目すべき特集と言えるでしょう。これは、これまでならば、神話学と考古学・地質学の関連というイメージで捉えられてきた問題設定と思われますが、これに宗教ツーリズムとが地域研究と視点で融合したということでしょうか。確かに文理融合(日本人の起源をめぐる議論はまさにこんな感じ)でもあるでしょうが。

 特集2に掲載の論文は次の通り。
・関和彦「国引き神話の深層」
・内田律雄「『出雲国風土記』にみる古志との交流」
・野村律夫「風土記時代の大陸移動説:出雲国風土記にみる地球観」
・中村唯史「出雲国風土記登場の佐比売山──三瓶火山の活動と出雲平野」
・林正久「日本の潟湖の分布と宍道湖=中海低地帯の地形形成」
・瀬戸浩二「風土記時代の「神門水海」の復元と出雲平野の発達」
・入月俊明「古生物学的視点からみた出雲の自然と人々の生活」

 古事記日本書紀の記述にかなりのバイアスがかかっているとすれば、それを修正して日本古代史を再構築するという作業は、文理融合を一つの基盤にすることは間違いない。日本観は大きく変わる可能がある。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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