「科学と宗教」、あるいは自然神学の射程

 「科学と宗教」というテーマは、現代のキリスト教思想の中で、中心的なテーマの一つであり、きわめて現代的な問題連関(生命や環境、科学技術など)に関わっている。他方、自然神学は、伝統的な思想分野であり、中世から古代へと遡る問題領域に密接に関わっている。一見すると、きわめて異なる研究領域に属しているかに見えて、実は、両者は一つの大きな問題を構成している、これが本ブログの立場である。
 こうした問題意識から、議論を展開するときに、話題は、現代から中世古代へと及ばざるを得ない。ここ数年、京都大学での特殊講義では、自然神学の拡張という問題を論じているが、最近、自然神学の歴史的展開から自然神学の新たな規定(コミュニケーション合理性の問い)を論じる文脈で、トマス・アクィナスを参照することになった。トマスは、キリスト教思想において、自然神学を論じる際に欠くことのできない重要な思想家であり、コミュニケーション合理性をトマスのテキストに即して示すことができる、これが特殊講義での趣旨であった。こうした議論を行う上で、便利な文献が、『神学大全』のラテン語英語対訳である。先の講義内容に関わっているのは、次の部分である。

Thomas Gilby O.P.,
ST TOMAS AQUINAS. Summa Theologiae. Latin text and English translation, Introduction, Notes, Appendices and Glossaries.Volume 1 (Ia.I),
Cambridge University Press, 2006(1963).

 問題は、有名な「五つの道」の議論を成り立たせている論理構造である。
 なお、この対訳テキストは、3分の2が付論となっており、トマスの思想を理解するにも、有益である。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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