アガンベン・メモ1

 ジョルジョ・アガンベン(Giorgio Agamben)は現代を代表する政治哲学者であり、キリスト教研究との関連でも、注目すべき現代思想家の一人である。本ブログでも、何度も取り上げてきた通りである。
 このアガンベンについて、メモという仕方で、わたくし自身の将来的な研究の素材を残しておきたい。まず、取り上げられるのは、先年邦訳が出版された、次の文献である。

ジョルジョ・アガンベン
『いと高き貧しさ──修道院規則と生の形式』
みすず書房、2014年(原著2011年)。

 本書は、アガンベンの「ホモ・サケル」シリーズの一環を成すものであり、アガンベンの研究プロジェクトに位置づけられ、そのような読解が必要なのは当然である。それは、規則・法、生とその形式というキーワードが示すことからも確認できる。

 「法や倫理と政治の変革を導き、人間の活動規範、「生」と「規則」の関係についてのそれまでの概念を根底から再定義する至ったこと」を、「修道院規則」から、読み取るという構想において示されている。

 特に、アガンベンが取り上げるのは、フランシスコ修道会に関わる諸文書であり、「いと高き貧しさ」という表現が示唆する通りである。修道制が内包する問いの射程は、キリスト教史の範囲を遙かに超えるものであることがわかる。
 こうした修道院規則の形式と内実に立ち入った分析は、修道制研究という点からも、注目すべきものと言わねばならない。修道制の思想レベルでの分析において、アガンベンの提示する議論の水準は、驚くべきものであると言わねばならない。

 わたくしも、修道制については、先行研究に依拠しつつ、講義で繰り返し取り上げてきたが、以下に挙げる、講義における参考文献リストには、今後、アガンベンの著書を加えることで必要であると考えている。

1.堀米庸三『正統と異端──ヨーロッパ精神の底流』中公新書。
2.グルントマン『中世異端史』創文社。
3.今野國雄『修道院』近藤出版社、『修道院──祈り・禁欲・労働の源流』岩波新書。
4.朝倉文市『修道院』講談社現代新書。
5.戸田 聡『キリスト教修道制の成立』創文社。
6.久松英二『祈りの心身技法──十四世紀ビザンツのアトス静寂主義』京都大学出版会。
7.ボンヘッファー『共に生きる生活』新教出版社。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR