ハーバーマス1

 ユルゲン・ハーバーマスは、現代を代表する哲学者に数えられる人物であり、常に時代の諸問題と切り結び創造的な思索を行ってきた。本ブログでも当然取り上げられるべき思想家である。わたくしは、これまで1980年代までのハーバーマスの思想展開をまとまって取り上げたことがあるが、1990年代以降も、ハーバーマスは重要な思索を公にしてきている。たとえば、ポスト形而上学をめぐる議論、そしてポスト世俗主義における宗教との新しい関係構築(翻訳論を含む)の議論である。こうしたハーバーマスの新しい思想展開を取り上げてみたい。

ユルゲン・ハーバーマス
『ポスト形而上学の思想』
未来社、1990年。

まえがき
第一部 形而上学への回帰か
一 近代の地平の移動
二 カント以降の形而上学
三 形而上学以後の思考のモティーフ 

第二部 語用論的転回
四 行為・発話行為・言語に媒介された相互行為・生活世界
五 意味理論の批判によせて
六 ジョン・サール著『意味・コミュニケーション・表象』の論評

第三部 形而上学と理性批判のあいだ
七 多数の声部をもった理性の統一
八 社会による個性化──ジョージ・ハーバード・ミードの主体性理論
九 哲学と科学は文学か

附論
一〇 形而上学への回帰か──一括書評

論文の発表箇所一覧
訳者あとがき
索引

 1990年代以降のハーバーマスにおいて、ぞれ以前からの一貫しているものとして、カント主義、語用論、意味論が挙げられることには注目すべきであろう。その上で、テーマは、ポスト形而上学と形而上学への回帰である。この点については、わたくしも、以前に論じたことがあるので、関心をある方は、以下を参照ください。

・「キリスト教思想と形而上学の問題」(京都大学基督教学会『基督教学研究』第24号、2004年、pp.1-23.)。
・「ホワイトヘッドの形而上学とプロセス神学」(京都大学基督教学会『基督教学研究』第25号、2005年、pp.21-41. )。

 附論のヘンリッヒをめぐる書評は、現代ドイツ哲学を動向を知る上でも、興味深い。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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