天皇制、政治と宗教の問い

 日本において、政治と宗教を論じる際には、天皇制の問題を避けて通ることはできない(もちろん、扱い方はさまざまなあり得るとは思われるが)。そして、天皇制の問題は、より広い思想的問題連関に属しており、議論は広範な視点からなされねばらない。

 こうした点で、有益な論集が昨年刊行された。

菅孝行
『天皇制問題と日本精神史』(菅孝行『天皇制論集』第一巻)
御茶の水書房、2014年。

Ⅰ 天皇制とは何か──現在の視野から
Ⅱ 象徴天皇制の発見──一九七〇年代の視野から
Ⅲ 天皇制の概観──一九八三年の視野から
Ⅳ 昭和⇒平成「代替わり」の時代の視野から

著者解題
あとがき

 本論集は、400頁を越えるかなり大部なものであり、目次についても、より細かな紹介が必要かもしれない。しかし、以上の紹介でも、本論集の特徴の一端は明らかと思われる(詳細は、「著者解題」を参照すること)。それは、この論集が1970年代以降の思想状況の中でなされた天皇制についての論考という性格を有することであり、こうした時代に即した展開に、日本の天皇制論の展開過程を見ることができるであろう。日本キリスト教思想における天皇制への言及・論考を、こうした歴史的展開に位置づけるとすればどうなるだろうか。

 わたくしも、日本キリスト教思想とは別の視点から、天皇制については、集中的に文献を集め、研究に着手した時期があった(これは、中断し現在に至っている)。1980年代から1990年代にかけてのことである。その当時のことも想起される論集である。そして、今後天皇制について取り組みたい研究者にとっては詳細に検討するべき論集である。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR