『図書』より

『図書』(2015.12、岩波書店)が届きました。

 今回は、取り上げるべき記事がいくつかありますが、まずは、2015年7月20日に上智大学で行われた次のシンポジウムの記録です。

《シンポジウム》「西田幾多郞を語る」
 クラウス・リーゼンフーバー、小坂国継、田中裕、藤田正勝

田中 「今回のシンポジウムは西田幾多郞の歿後七〇年を記念しまして、『西田幾多郞全集』の編集委員の三名の方と司会の私とで、西田幾多郞の人間的な魅力などについてお話をさせていただきます。」

 まさに、西田を語るにふさわしい研究者によるシンポジウムである。

・次に、鶴岡賀雄さん(東京大学・宗教学)の「「近代日本カトリシズム」への問い」

 近代日本のカトリシズムと言われれば、岩下壮一、吉満義彦という「戦前の日本カトリック界に大きな業績を残した二人」が問題になるのが通常であるが、鶴岡さんは、「戦前と戦後の日本カトリシズムを、断絶と連続の二択ではないかたちでとらえる思想史的理解」の可能性を示唆する。
 「こうした問いは日本のカトリシズムを、近・現代という歴史の時間の中に置き入れるものである」、「他方では、カトリックないしキリスト教思想史の閉域を越え出て、日本宗教思想史、日本精神史も中にしかるべき位置を得させしまることにもつながるだろう。」
(31)

 近代日本カトリック思想史の構想は、魅力的であるが、おそらくかなり難しいテーマでもあるだろう。

・最後に、高村薫の「作家的覚書」。今回は「幕間に思う」
 今年の秋を、夏の政治状況と、次に来たるべき第二幕の間の「幕間」にたとえたエッセイ。
「幕が下ろされたのだが、あれも第二幕がなければ収まらないはずだ。原発推進といい、集団的自衛権といい、いまは幕間に過ぎない。芝居は終わりではない。」(27)

 しかし、幕間はよいとしても、単なるお「芝居」を見るだけではたまらない。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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