アガンベン・メモ4

久しぶりに、アガンベンからの抜き書きです。

ジョルジョ・アガンベン
『いと高き貧しさ──修道院規則と生の形式』
みすず書房。

「I  規則と生」の「2 規則と法律」の続き

「ここでわたしたちが置かれているのは信仰上の次元であって、道徳上の次元ではなく、いわんや法律上の次元ではない。」(52)
「カッシアヌスの『共住修道制規約』」「ここでも誓願や法律的規約の痕跡は見られない。」(53)
「変化」「修練者の側からの正真正銘の法律的約束を想定しているようにみえる『レグラ・メギストリ』と聖ベネディクトスの会則によってである、と一般的に言われている。しかし」(54)、「一般的な修道誓願であって、法律的な契約ではない。正真正銘の法律的行為はすぐあとにやってくる。」(55)
「ベネディクト会の正式入会はローマ法のスティプラーティオー(stipulatio[握手による契約])のパラダイムに則して作られた完全な契約だと解釈する研究者もいる」、「しかしながら、もっと古い史料は、誓願の宣立のもっとも一般的なかたちは一方的な宣言であって契約ではないことを明らかにしている。」(56)
「修道士の生の形式そのものであった。」(57)
「誓願の宣立」「コンテクスト」「この規則に則した表明が修道院のなかで人の生が終わるまで行為によって遂行されるならば」「聖なる奉仕(servitium)と呼ばれる」「それをつうじて聖なる存在となることによって、修道士は聖なる主に仲間入りするからである」、「"servitium"[奉仕]ということばは、まさしく"officium"[聖務]ということばに似て、修道士または祭司に固有の生と活動を指している」、「「奉仕」をモデルとしている」、「修道士の生を不断の聖務および典礼と考える傾向」(58)
「カロリング朝の時代から」「九世紀から十一世紀には」「誓願の宣立が法律化を強めつつあることは」「教会(と皇帝)が修道共同体に対して控え目のようではあるが断固とした管理をしようとした時代」(59)
「トマスからスアレスへいたるまで、スコラ哲学において発展する修道院の誓願の真の意味での理論は、法令作成者には欠けているように思われる」、「問題への接近方法は基本的に決疑論/実例集のかたちをとっている。」(60)
「「修道士の自由になされたpropositum[意志表明]は、罪を犯さずに破棄することはできない」」(61)
「福音と掟」「の関係という本来の神学的コンテクスト」「パウロの手紙」
「キリストの生はもはや「律法の下」にはなく、いかなる場合にも法律的用語ではとらえられないことは確かである」、「キリスト者は、パウロのように、「律法に死んだ」」「のであり、霊の自由のなかで生きているからである」(62)
「この神学的コンテクストのうちにこそ修道院規則は置かれなければならない」、「バシレイオスもパコミオスも、キリスト者の生の形式が法律の枠内に入ることなど不可能であることは完全に自覚していた」 、「福音を模範とする修道院規則が律法の形式をとることは不可能であり、規則ということばを選んだこと自体が律法的命令の世界への対抗を含意していた可能性が高い。」(63)
「新しい法(nova lex)が律法の形式をとることは不可能であり、規則として導き、方向性を与える、生の形式そのものへと近づいていくのである。」(69-70)
「確かに教会は、十二世紀に教会法の体系となって頂点に達する規範の体系を徐々に構築していった」、「しかし、キリスト者の生も法の領域と出会いうるのは疑いないとしても、キリスト教的な生きる形式(forma vivendi)そのもの」「が守られなければならない戒律を守ることに尽きるわけはなく、律法的性質をもつことはありえないことも、同じく確かなのである。」(70)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR