図書館の今

 先日、名古屋の南山大学に出張した。主要な用事は、図書館におけるキリスト教関係図書(開架)の調査である。特に、本ブログでのテーマに関連した分野の図書について確認してきた。これまでも、北海道大学と東京神学大学で図書館の文献調査を行ってきたが、その一環ということでもある。

 南山大学図書館におけるキリスト教関係図書は、参考図書と指定図書として開架されているもののほかに、キリスト教コーナーが設けられており、全体としてかなり充実した開架図書となっている(今回はカトリック文庫までは手が回らなかった。これについては、いずれ別の機会に調査したい)。聖書学関連については、基本的なものがきちんと揃っている。わたくしも、次の日の新約聖書演習(ローマ3章)に関する調べものを行うことができた。ここだけでも、かなりきちんとしたキリスト教に関わる勉強が可能である。
 図書館は、図書を収集し、利用可能な仕方で分類配架することが、主要な仕事であり、そこがきちんとできていないことは致命的であるが、最近の図書館を取り巻く状況はなかなか大変な様子である。基本的な機能に加え、さまざまなサービスの提供が求められ(特に学習機能)、それは、南山大学でも同様の事情ががあるように思われた。

 しかし、日本の諸大学の図書館の問題は、限られた予算の中で、必要度の順番にしたがって、重要文献をきちんと収集するという機能が十分であるかということである。それは、京都大学のキリスト教学関係の文献収集にも当てはまる問題である(最大の問題は予算であるが)。広範な専門領域にわたって次々に刊行される文献の中から、適切な選書を行うこと、それはかなりの時間と専門知識を要する作業である。現在のキリスト教学専修は、教員が一人であり、こうした基本作業に十分に手が回っているのが現状である。ここを改善することが課題となる。
 現在考えているのは、専修出身の先輩方に、それぞれの専門分野で、京都大学として購入すべき図書を推薦いただき、それを参考に文献をそろえるということである。これはぜひ実施したいと考えている。現時点で心がけているのが、聖書註解や思想家の著作集などを可能な範囲で購入するといったところである。また、20世紀以降の思想家のものも基本的なものは購入する方針ではある。
 また、新刊書は、著者名とタイトルを手掛かりに購入を決定することにならざる得ないことがある。その場合に起こるリスクは、重要度が高くない文献までも購入してしまうということである。これについては、まず専修予算とは別の予算(消耗品として)で購入し、届いた図書の中身に応じて、図書館への寄贈の手続きをとることが考えられるが、こうした手法はどうだろうか・・・。

 日本の大学図書館が貧弱であるとすれば、専門図書員の要請と雇用に関わる経費を含めた予算の貧困さに最大の原因があると言わねばならない。

 今回訪問した南山大学は、外部からの利用がしやすいシステムになっており、その点でも、よい印象を受けた。
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