野呂神学の原点と射程

 野呂芳男は、本ブログでもこれまで何度か取り上げてきた、太平洋戦争後の日本における神学思想を代表する思想家の一人であり、実存的神学の提唱ということで著名な人物である。このたび、その主著『実存論的神学』(創文社、1964年)が完全版(旧版の増補版)として刊行された。野呂神学の問いを再確認するためにも、一読した文献である。

野呂芳男
『民衆の神 キリスト──実存論的神学 完全版』
ぷねうま舎、2015年。

完全版に寄せて
はしがき 一九六四年版

序章 現代の状況と福音の理解

Ⅰ 神の存在と働き
第一章 話し合いの問題と神学的認識論
第二章 啓示と実存
第三章 パウル・ティリヒの存在論

Ⅱ 実存論的神学の創造
第四章 神学における主観-客観の構造の超克
第五章 キリストとしてのイエスの出来事

Ⅲ 死と時間
第六章 時と永遠
第七章 死後の命

Ⅳ 民衆の中に生きるキリスト教
第八章 万有救済論
第九章 神と実存

後書き

解説 民衆宗教へ 岩田成就
苦悶とこれから 林昌子
事項索引
人名索引

 わたくしはこれまで、『実存論的神学と倫理』(1970年)以降の野呂神学を視野に入れてきたが、その原点にある『実存論的神学』を完全版として読むことができるのは、野呂神学を理解する上で重要な意味をもっている(『実存論的神学』の構成はかなり独特のものであり、その点も興味深い)。なお、『実存論的神学』は京都大学で文学博士の学位を授与されたものである。1964年と言えば、基督教学講座担当は武藤一雄先生、宗教学講座担当が武内義範先生の時代であり、これらの先生が論文試問を行ったのであろうか。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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