日本における組織神学の試みから

 本ブログでも、間接的に日本におけるの組織神学の試みについて言及することはあったが、改めて、テーマ化した扱いを行いたい。
 まず、日本における組織神学の試みにおける最近のものとして、東京神学大学の芳賀力氏を取り上げたい。
 以下に紹介する最近刊行された『神学の小径Ⅲ 創造への問い』の「あとがき」によれば、芳賀氏は、次のような教義学を構想しているとのことである。

1.『啓示への問い』:聖書論
2.『神への問い』:三位一体論
3.『創造への問い』
4.『救済への問い』
5.『完成への問い』

 1~3は既刊部分であり、今後は4と5の完成を目指すということである。こうした教義学の構想は、プロレゴメナ(1)から、三位一体論に基づく体系構想へと展開するという点で、オーソドックスであるが、その内部は、かなり興味深い構成になっている。
 以下の目次では「第一章 世界の読解法」とだけ紹介した部分は、次のような構成になっている。
第一章 世界の読解法
   一 天上の書物
   二 自然を読む技法
   三 啓示という解釈装置
      【ノート116】自然神学と自然の神学
      【ノート117】~として見ること(ヴィトゲンシュタイン)
      幕間のインテルメッツォ(間奏曲)
      あとがき的命題集

 本文に続く、「ノート、間奏曲、命題集」という構成はすべての章に共通であり、各章の記述・議論に広がりとまとまりを与えている。しかし、より大きな構成については、どのように評価できるだろうか。

芳賀力
『神学の小径Ⅲ 創造への問い』
キリスト新聞社、2015年。

第一章 世界の読解法
第二章 自然神話からの解放
第三章 グノーシス・シンドロームの克服
第四章 自然科学の説明を越えて
第五章 開かれた創造
第六章 創造の根拠
第七章 創造のロゴス
第八章 創造のエネルゲイア
第九章 天と地とそこに満ちるもの
第一〇章 人間、この未知なるもの
第一一章 アダムとキリスト
第一二章 神の映し返す人間
第一三章 心と体、そして霊性
第一四章 男と女、そして霊性
第一五章 空の鳥、野の花を見よ
第一六章 運命と摂理
第一七章 創造の目的

信仰の手引き(Ⅲ) 
あとがき

 グノーシス・シンドロームは本書のキーワードとなるだろうか。神学・信仰、科学、神話の三者関係は興味深い。取り上げられる問題にも、神学的背景がうかがえる。  

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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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