日本における組織神学の試みから2

前回は、芳賀力『神学の小径Ⅲ 創造への問い』を取り上げたが、このシリーズの第一巻についても、触れておきたい。内容は、神学的認識論として位置づけられる啓示に関わる諸問題であるが、組織神学の構成では、聖書論を中心とした神学体系のプロレゴメナと言える議論に重なる。このプロレゴメナという位置を明確にしたものとして、大木英夫『組織神学序説──プロレゴーメナとしての聖書論』(教文館、2003年)はこの5年前の出版である。

芳賀力
『神学の小径Ⅰ 啓示への問い』
キリスト新聞社、2008年。

第一章 物語る教会の誕生
第二章 到来する神
第三章 神の名の啓示
第四章 神の人格性
第五章 受肉への徹底
第六章 渡された神
第七章 約束の聖霊
第八章 頌栄の共同体
第九章 語りから文字へ
第一〇章 テキストの権威
第一一章 正典(カノン)
第一二章 開かれる言葉
第一三章 再び、文字から言葉へ
第一四章 預言者と使徒
第一五章 共同体の文法
第一六章 啓示と生活世界
第一七章 礼拝する人間

信仰の手引き(Ⅰ) 
あとがき

 各章の構成(本論+ノート+間奏曲+あとがき的命題集)は『神学の小径Ⅲ 創造への問い』と同様である。特徴は、「物語」「ストーリー」という啓示、聖書、教会の関連付けにあることは、比較的容易に確認できる。それに、語りと文字、文法が結び付く。受肉中心、教会・礼拝の重視という点は、伝統的。こうした本書のスタイルは、本書が季刊『教会』(日本基督教団改革長老教会協議会編)における連載を基にしていることにも関係しているのであろう。「現場の牧師たち」に基礎知識を体系的に整理して提供するという意図とのことである(「あとがき」)。
 欲を言えば、人名索引(事項索引とまではゆかなくても)が欲しいところである。
 
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