原発事故の記憶の問題

 久しぶりに、「大震災・原発関連」のカテゴリの記事を掲載します。
 東日本大震災、福島原発事故から、5年が経過しようとしています。原発事故については収束の見通しも立たないままに5年という年月が過ぎましたが、事故解決に必要なこれからの膨大な時間を思うとき、気が遠くなる想いです。その中で、消されゆく記憶、忘却されてゆく被害者、棄民、といった言葉が、目につきます。
 今回紹介するのは、この日本の現実についてのルポです。

吉田千亜
『ルポ 母子避難──消されゆく原発事故被害者』
岩波新書、2016年。

はじめに

第1章 地震直後──迫られた選択
  3・111/さらに遠くへ/親戚宅で/埼玉へ
  [コラム]事故直後の被爆

第2章 避難生活──劣悪な環境
  築四〇年の団地で/住み替え問題/「帰れ!」/孤独な子育て/生活保護
  [コラム]福島第一原発事故における甲状腺がん

第3章 夫──一人残されたとき
  転々と/東京へ/残された夫
  [コラム]放射能汚染の測定

第4章 作られていくしくみ──被害の矮小化のはじまり
  賠償指針/賠償を元手に/子ども・被災者支援法/「住民票」という問題/閉ざされた新たな自主避難
  [コラム]分離世帯

第5章 なぜ避難者支援が不十分なのか
  法律の基本方針/避難者とは誰か/原発ADR
  [コラム]残った夫たち

第6章 帰還か、避難継続か
  葛藤/帰還/強いられた選択/二〇一四年夏になって初めて/広がる不安
  [コラム]北海道と沖縄

第7章 消されゆく母子避難者
  住宅提供打ち切り報道/「避難する状況にない」/帰還に向けて/市長との対話/泣きながら待つよりも

おわりに

 「棄民」。「彼女ら、彼らの「命」の問題は、もう、たらい回しにはできない。問われているのは、私たち自身だ。」(214)
 日本史は多くの「棄民」たちの声に満ちている。 

 
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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