経済の神学2

 「経済の神学」を内実を伴ったものとして構築するには、通常の神学の範囲を超えた、「経済」自体に関わる議論を参照することが不可欠である。その際に、いわゆる経済学の教科書的なものではなく、より、思想的な、しかも現実の経済のあり方を批判的に見ることを可能になるものを参照するのが望ましいであろう。
 ここでは、古典的な議論と現代的な議論のそれぞれについて、すでに本ブログで紹介した文献を再録したい。

1.19世紀の古典的な近代経済学への批判的視点をおける経済論としてのラスキン
・ラスキン『この最後の者にも ごまとゆり』(中公クラシックス)
・伊藤邦武『経済学の哲学 19世紀経済思想とラスキン』(中公新書)
 ラスキンは、マクグラスが、自然神学の問題連関(『「自然」を神学する キリスト教自然神学の新展開』教文館)で比較的詳し目に取り上げている思想家であり、環境・経済という問題連関において、再評価すべき思想家ではないだろうか。

2.トーマス・セドラチェク『善と悪の経済学 ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠』東京経済新報社。
 本書は、経済学の専門家が、「経済の神学」に接する議論を提起した点で、きわめて興味深い。もちろん、哲学などの思想系の学問領域の専門家ではない点で、議論はさらなる精密化と思想史的裏付けがなされるべき点があるとは言え、ヨーロッパの経済思想の新しい動向として注目すべきであろう。
 なお、本書の英訳(Oxford University Press, 2011)も入手しやすい。

 「経済の神学」を構想する手掛かりは、さまざまな領域に広範に広がっている。
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