科学者の責任

現代世界の問題状況は、科学技術によって大きく規定されている。それだけに科学者の責任は重大であり、少なからぬ科学者がそのことを自覚し、研究を遂行している(はずである)。この問題を深刻に「科学者の原罪」として問うた科学者が存在する。京都大学理学研究科などで素粒子物理学の研究と教育を担当された政池明さんである。政池さんは、内村鑑三の弟子である政池仁のご子息である。

政池明
『科学者の原罪』
キリスト教図書出版社、2015年。

『科学者の原罪』によせて(水垣渉)

はじめに
一 近代科学の曙
  ケプラーの科学と信仰
  ガリレオと法王庁の戦い
   ニュートンについて
二 アインシュタインの宗教観と平和思想の遍歴
三 原子爆弾の恐怖
  第一次世界大戦時の化学兵器
  米国の原爆開発と日本への投下
   ドイツと日本の原爆研究
   核廃絶の願い
四 原子力問題
  日本の原発開発
  福島原発事故
  原子力の将来
  自然エネルギーの活用に向けて
五 生命科学の課題
   医学者の倫理
  七三一部隊の罪
  生命科学の発展
六 科学の限界
   科学そのものに内在する限界
   科学研究に対する社会的な制約
七 アーミッシュの生活
八 科学の行方(まとめにかえて)

あとがき

 本書のポイントは、冒頭の水垣先生の文章にある通りであるが、現代科学の問題、特に原子力(東日本大震災と原発事故)と遺伝子工学の問題を念頭におきつつ、近代科学の発端からその歴史的背景を論じ、「科学者の原罪」が論じられる。湯川秀樹と日本の原子勅開発の関わりなど、興味深いエピソードが取り上げられている。
 「科学者の原罪」は、「科学の原罪」(科学という営み自体を規定する原罪)あるいは「文明の原罪」ということになるのだろうか。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
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