年度最終日

 2015年度も、早いもので、本日が最終日であり、明日からは、2016年度がスタートする。この時期は、送別と歓迎というセレモニーの中で、人間の関わりについて、考えさせられる時でもある。
 昨日、この3月31日で、京都大学大学院文学研究科を退職される、永井和先生(現代史学専修)より、退職記念文集をいただいた。次のような目次で、諸論考が収録されている。

永井和
『世界史としての日本現代史 附履歴と業績』

世界史としての日本現代史
「慰安婦」問題 破綻した「日本軍無実論」
「慰安婦」問題についての2つのインタビュー
読売新聞のお役に立てなかった私の論文
秦郁彦氏の慰安婦数推計法の誤謬について
軍慰安婦の法的地位は「軍従属者」
附:履歴と業績

 第一論文「世界史としての日本現代史」は、江蘇大学外国語学院での講義がもとになったもので、「京都大学文学部で講義してきた日本現代史概説」の基本的な立場を提示した論考である。「現代史の研究は一国史的枠組みにおさまらるものではなくて、世界史的視野に立っておこなうべきである、すなわち「現代史は世界史である」という学問的理念の表明」にほかならない。「世界史」とは、「世界各国史や地域史の集成」という意味ではなく、「それ自体の歴史をもつ存在としての「世界」なるものを想定して、その「世界」の歴史という意味での「世界史」」が問われている。「全体としての世界」「地球上での人類社会全体」が「現代世界」の基本的特質であるとの認識が、「世界史としての現代史」を構想することを可能にする基盤ということである。

 続く諸論考は、学術雑誌以外のメディア(雑誌、Webのブログ)に掲載された「旧日本軍の慰安婦制度」をめぐるものであり、永井先生の日本現代史研究における研究テーマの一つである。
 「慰安婦」問題をめぐっては、現在混乱した状況を呈しており、信頼に値する現代史的研究が求められている。歴史的資料とその妥当な解釈という根拠に基づかない、思い込み、勝手な推論がまかりとっているかぎり、生産的な議論は期待できない。歴史家の発言が問われており、永井先生は、それをになってきたわけである。

 なお、本ブログであるが、本日で終了の科研費による研究の残務処理もあるので、まだしばらくは、これまでの形で、継続して記事を掲載することにしたい。いずれにしても、区切りをつける時期は迫っている。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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