ハーバーマスと宗教論

 近年ハーバーマスは、現代世界の多元的状況を背景に、キリスト教などの諸宗教の問題を積極的に論じてきている。従来より、ハーバーマスは、キリスト教思想との関わりでもしばしば取り上げられてきた思想家であるが、この最近の動きに入る前の段階のハーバーマス、特に、コミュニケーション的行為の議論に関連した論集を取り上げてみたい。

Edmund Arens (Hrsg.),
Kommunikatives Handeln und christlicher Glaube. Ein theologischer Diskurs mit Jürgen Habermas,
Ferdinand Schöningh, 1997.

Vorwort

Edmund Arens (Luzern):
Theologie und Theorie des kommunikativen Handelns im Diskurs. Eine Einleitung

Christoph Theobald (Paris):
Glauben im modus conversationis. Zum Ansatz einer theologischen Theorie der Moderne

Markus Knapp (Bochum):
Die Anreden -- der binde Fleck der Moderne? Überlegungen zum Verhältnis der Theologie zur Theorie des komunikativen Handelns

Josef Wohlmuth (Bonn):
Bilderverbot. Theologie Ästhetik und die Theorie des kommunikativen Handelns

Jens Glebe-Møller (kopenhagen):
Kommunikatives Handelns, Konsens, Heiliger Geist. Zur Übersetzung theologischer in kommunikationstheoretische Kategorien

Edmund Arens (Luzern):
Tod und Transzendenz. Eschatologische Anfragen an die Theorie des komunikativen Handelns

Alberto Bondolfi (Zürich):
Zwischen Faktizität und Geltung. Zur Bedeutung der Habermaschen Rechtsauffassung für die theologische Ethik

Hermann Pius Siller (Frankfurt a. M.):
Das Undewätigbare ausdrücklich machen. Zu einer Pragmatik des Geheimnisses

Pessonenregister
Die Autoren

 その後、21世紀に入って、ハーバーマスは宗教を積極的に論じるようになる。以下については、わたくしが、あるところで書いた文章の一部を転載しておきたい。

「・・・
ポスト世俗化の時代という現代理解のもと、ハーバーマスは、これまで啓蒙的理性によっていわば解決済みのものと見なされてきた宗教を、哲学によっては代替できない固有性を有するものとして積極的に論じる試みを進めている。論者は、ハーバーマスが提出する「翻訳」というキーワードに注目し、ハーバーマスの立論を、サンデル、ラッツィンガー、テイラーらとの間で行われた対論を検討することによって、分析を進める。翻訳とは「世俗的理性による宗教的伝統の解釈」を意味しており、世俗的理性と宗教的伝統が相互に学び合う学習過程の中に位置する。ハーバーマスは、宗教的事柄に対する不可知論に立ちつつも、宗教的言説のために公共圏における場を空けておく仕事を哲学の課題と認識しており、たとえば、聖書的な「神の似姿」に由来する人権概念を、哲学が翻訳することで宗教共同体を超えた公的な価値へと広げた成功例として論じる。この洞察は、カント哲学の伝統に依拠した、ポスト形而上学時代の哲学的宗教論にほかならない。
・・・」
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