アウグスティヌス研究より

 アウグスティヌスに関する新しい研究書が刊行された。京都大学キリスト教学出身で、2014年京都大学博士(文学)の学位を取得した学位論文を加筆修正したものである。今回の出版は、文学研究科における「卓越した課程博士論文の出版助成事業」によるものであり、学位論文の刊行を慶びたい。

須藤英幸
『「記号」と「言語」──アウグスティヌスの聖書解釈学』
京都大学学術出版会、2016年。

序論
 第一節 探求すべき問い
 第二節 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
 第三節 言語の媒介性と本書の目的と方法

第Ⅰ部 アウグスティヌスの記号理論
第一章 『教師論』の記号理論
 第一節 問題と方法
 第二節 『教師論』の概略
 第三節 『問答法』との対比
 第四節 アリストテレス『命題論』との対比
 第五節 『教師論』の照明と言葉
 第六節 結語

第二章 『問答法』の記号論
 第一節 問題と方法
 第二節 ストア学派の論理学
 第三節 『問答法』の記号理論とその適用
 第四節 マークス説とジャクソン説
 第五節 結語

第三章 『キリスト教の教え』の記号理論
 第一節 問題と方法
 第二節 『キリスト教の教え』の三極構造をめぐる諸説
 第三節 『キリスト教の教え』の記号理論と聖書解釈学
 第四節 結語

部 アウグスティヌスの言語理論
第四章 『教師論』の言語理論と『三位一体論』の内的言葉
 第一節 問題と方法
 第二節 『教師論』の主題とその意味理論
 第三節 『三位一体論』の内的言葉
 第四節 結語

第五章 『シンプリキアヌスへ』の言語理解と『キリスト教の教え』
 第一節 問題と方法
 第二節 『シンプリキアヌスへ』の言語理論をめぐる転換
 第三節 『キリスト教の教え』の言語理論とその恩恵的前提
 第四節 結語

部 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
第六章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学とクライテリア
 第一節 問題と方法
 第二節 『マニ教徒に対する創世記』のクライテリア
 第三節 『キリスト教の教え』のクライテリア
 第四節 『キリスト教の教え』のクライテリアの特殊性
 第五節 『キリスト教の教え』のクライテリアとキリスト教共同体
 第六節 結語

第七章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学と生の展開
 第一節 問題と方法
 第二節 『キリスト教の教え』の生の展開
 第三節 字義的解釈と情念
 第四節 比喩的解釈と喜び
 第五節 結語

結論
 一 媒介としての言語の可能性
 二 聖書解釈学に於ける人間の現実状況と言語表現
 三 アウグスティヌスの聖書解釈学をめぐる研究の展望

あとがき
引用文献表
索引(人名・事項)

 博士論文を書き上げ、学位を取得することは、大学院で学ぶことの最大の目標の一つであり、それは大変な作業である。もちろん、学位を取得して仕事が終わるわけではない。学位論文に必要な手を加えた上で、それを出版するという仕事が待っている。これで、学位論文に関わる仕事は一段落ということになるだろう。しかし、この出版という仕事の仕上げも必ずしも容易ではない。一つは、納得ものを出版しようとするあまりに出版のタイミングを失することが起こりうること、また、近年の出版事情から専門書の出版を引き受ける出版社は限られるということ(自費出版にはかなりの費用が必要であり、出版助成も競争である。こうした費用の裏付けがない場合の出版はきわめて困難である)である。
 以上の点で、今回の出版は著者本人にとってみならず、キリスト教学研究室にとっても、また日本のキリスト教研究にとっても、喜ばしいものであった。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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