政治神学の基礎文献1

 政治神学は、自然神学とともに、様々な価値評価が結びつけられた用語であり、学的術語として使用するのには、一定の説明が必要かもしれない。本ブログでは、モルトマンによって積極的な意味での使用がなされたことを前提に議論を行っているが、そのモルトマン自身が、「この概念のいかがわしさ」への批判を念頭において問題提起しているのである(「政治的宗教の神学的批判」、モルトマン、メッツ『政治的宗教と政治的神学』新教出版社、1980年、p.18)。
 モルトマンは、次のようなものとして政治神学の提唱したのである。

「政治的神学とは、近代においてキリスト教神学が自覚的に遂行されてゆかなくてはならない分野、状況、場所、舞台を言いあらわしている。政治的神学は、すべてのキリスト教神学に政治的自覚を呼びさまそうと意図している。」(25)

 この立場は、その後一貫して保持されている。それは、次の文献における政治神学の位置づけから明瞭である。

・モルトマン『二十世紀神学の展望』新教出版社、1989年。
  Ⅱ 今日の神学の調停 (1988年)
   四 政治神学と未完の近代

・モルトマン『神学的思考の諸経験 キリスト教神学への道と形』新教出版社、2001年。
  Ⅱ 希望の解釈学
    第二節 歴史的解釈学
       1 「新しい政治神学」と「政治的解釈学」の成立
 『神学的思考の諸経験 キリスト教神学への道と形』における議論は、『政治的宗教と政治的神学』と基本的に合致している。

 本ブログでは、自然神学を社会科学へ拡張するという基本方針を立てているが、その具体化の一つは、「政治神学」であって、新しいブログへの移行(?)の前に、関連文献を整理しておきたい。範囲は、通常イメージされる「神学」の領域よりも広めに設定したい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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