ウィトゲンシュタインと宗教

 ウィトゲンシュタインは現代思想に大きな影響を及ぼした、きわめて興味深い思想家である。宗教思想との関わりでも、重要な研究テーマとして位置づけることが可能であり、実際、さまざまな研究がなされてきた。問題は、ウィトゲンシュタインと宗教との関わりであり、それは、多くの解明すべき課題を残していた。今回、第1次世界大戦の東部戦線で若きウィトゲンシュタインが暗号で書き残した日記が邦訳された。宗教との関わりを含めて、思想家ウィトゲンシュタインの根本に迫る重要資料と言える。
 邦訳は、第二部「戦場のウィトゲンシュタイン」として、星川啓慈、石神郁馬の両氏による詳細な解説が付されており、それもきわめて有益である。

ウィトゲンシュタイン
『秘密の日記──第一次世界大戦と『論理哲学論考』』
春秋社、2016年。

はじめに(翻訳者:丸山空大)

ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』──1914年8月9日~1916年8月19日
凡例

第1冊 1914年8月9日~1914年10月30日
第2冊 1914年9月30日~1915年6月22日
第3冊 1916年3月[28日]~1916年8月19日
テクストについて

解説 戦場のウィトゲンシュタイン
凡例

第1章 第1次世界大戦
  [コラム]大砲と臼砲
第2章 東部戦線
  [コラム]探照灯
  [コラム]一年志願兵
  [コラム]小型砲艦「ゴプラナ」
第3章 トルストイの『要約福音書』
  [コラム]機関銃の歴史
第4章 『論理哲学論考』と「撃滅線」
  [コラム]奇襲・突破・撃滅
第5章 ブルシーロフ攻勢前夜
  [コラム]弾幕射撃
第6章 ブルシーロフ攻勢の激闘
第7章 『草稿一九一四-一九一六』
第8章 一九一六年の暮れから捕虜になるまで
  [コラム]ウィトゲンシュタインと「褒章」
エピローグ

ウィトゲンシュタイン略年譜
あとがき
引用・参考文献

 この日記に関しては、昨年度の日本宗教学会・学術大会でのパネル企画(代表者:松野智章さん)などで、取り上げられてきたが、その日記が要約で読めるようになり、宗教研究にとっても、大きな意義があることである。わたくしとしては、トルストイの『要約福音書』との関わりなどに興味があるので、そのあたりから読み始めようと思う。

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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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