政治神学の基礎文献2

 現代の政治神学を論じる上で、まず取り上げるべきは、カール・シュミット(1888-1985)の一連の論考である。シュミットは政治神学だけでなく、政治哲学の古典でもあり、それは、さまざまな議論の展開の中で、重要な位置を占めている。

 日本語においても、シュミットは基本的なものを読むことができる。

1.未来社、「カール・シュミット著作集」
 『政治的なものの概念』 『政治神学』 『大統領の独裁』 『独裁』 『合法性と正当性』 『政治的ロマン主義』が含まれる。最後の『政治的ロマン主義』が橋川文三訳である以外は、田中浩と原田武雄の共訳である。
 わたくしの手元には、 『政治的なものの概念』 『政治神学』 『政治的ロマン主義』の三冊がある。

2.慈学社出版、「カール・シュミット著作集」
  『カール・シュミット著作集Ⅰ 1922─1934』
  『カール・シュミット著作集Ⅱ 1936─1970』
 長尾龍一編であるが、Ⅰには12篇の論文、Ⅱには10篇の論文が収録され、多くの共訳者の手によるものである。

 わたくしがシュミットについて関心があるのは、政治神学の歴史的起源(キリスト教との関わり)、主権概念、政治的なものの概念(道徳との相違)、政治的ロマン主義、といったところであるが、それぞれの議論は、その後、次のような思想家において展開されている。

・「政治神学の歴史的起源」→モルトマン
・「主権概念」→アガンベン
・「政治的なものの概念」→ムフ
・「政治的ロマン主義」→ティリッヒ

 これらはあくまで代表的な目に付く繋がりであるが、これだけからも、シュミットの思想的遺産が、きわめて重要であることがわかるだろう。このほかにも、たとえば、ヤーコプ・タウベス『パウロの政治神学』(岩波書店)が示すように、シュミット→タウベスというラインも興味深い。
 
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