キリスト教思想と人間学

 キリスト教思想研究にはさまざまな視点・方法論が存在するが、「人間学」は、20世紀の哲学的人間学の展開からもわかるように、キリスト教思想研究にとって重要な方法論的視点として位置づけることができるであろう。日本における人間学の視点にたった代表的な研究者として、金子晴勇先生を挙げることができるが、最近、その集大成とも言える著書が刊行された。

金子晴勇
『キリスト教人間学入門──歴史・課題・将来』
教文館、2016年。

序文──わたしたちはキリスト教人間学で何を学ぶのか

Ⅰ 人間学との関係
  1 科学時代における人間の問題
  2 カントの問い
  3 シェーラーの人間学的な問い
  4 人間学の方法
  5 キリスト教人間学の特質

Ⅱ 聖書の人間観

Ⅲ キリスト教人間学の歴史
  1 アウグスティヌスの人間学
  2 トマス・アクィナスの人間学
  3 中世の神秘主義(ベルナールとドイツ神秘主義)
  4 宗教改革時代の人間学(エラスムスとルター)
  5 近代の人間学(デカルト、カント、シュライアーマッハー、メール・ド・ビラン)
  6 解体の時代の人間学(フォイエルバッハとキルケゴール)
  7 現代の人間学(シェーラーとプレスナー)
  8 現代のキリスト教的人間学(バルト、ブルンナー、ニーバー兄弟、ティリッヒ、パネンベルク)

Ⅳ キリスト教人間学の課題
  1 「神の像」と「人間の尊厳」
  2 性善説と性悪説(良心概念の検討)
  3 対話と応答的人間
  4 人間と人格の区別
  5 罪とその救い
  6 信仰のダイナミズム(感得・受容・合一・変容・超越・媒介)
  7 信仰と愛のわざ
  8 キリスト者の試練
  9 人格共同体
  10 文化と歴史

Ⅴ キリスト教人間学の将来
  1 キリスト教人間学の意義
  2 キリスト教的人格性の特質
  3 キリスト教的な人間関係論
  4 霊性の特殊性と普遍性
  5 仏教的な霊性との対話
  6 キリスト教に深化と普遍性

参考文献
あとがき

 「あとがき」においては、次のように述べられている。
 本書『キリスト教人間学入門──歴史・課題・将来』はわたしがこれまで長い歳月をかけて探求してきた研究課題の最終報告書である。というのも、わたしは哲学の分野としては「人間学」を、思想史の分野では「ヨーロッパのキリスト教思想史」を、それぞれ選んで研究を続けてきたが、この二分野を総合すると「キリスト教人間学」となるからである。(271)

 学生時代からお世話になった先生のライフワークに「入門」という形で接することができたことを喜びたい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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