『キリスト教文化』から

『キリスト教文化』2016春号が出版されました。年に2回の刊行のため、久しぶりの紹介です。

 まず、特集から。今回は「東アジアキリスト教史から考える暴力」で、座談会と論文から構成されています。

[座談会]「東アジアキリスト教史から考える暴力」
  対談者:李省展 小檜山ルイ 徐正敏 渡辺祐子
  司会者:松山健作
 「東アジアキリスト教交流史研究会」のメンバーによる座談会。話題はそれぞれの専門研究領域から多岐にわたって展開されており、それぞれ興味深い。

次の特集企画に収録の論文。
・「賀川豊彦の中国──語られ方/語り方」 (金丸裕一)
・「義のために戦ふとせば如何なるものが義であらふ? ──日本キリスト教婦人矯風会は日清・日露戦争をどう見ていたのか?」 (神山美奈子)
・「河井道と戦争」 (豊川慎)

 この数年来、「戦争」は日本における大きな政治的思想的争点を形成している。その中で、キリスト教はどこに立つのか、あるいは埋没するのかが問われている。過去を過去として語らせることは無意味ではない。

 以上の特集に続き、次の論考とレポートが収録。
・「戦前日本のプロテスタント教会における牧会概念の変遷」 (家山華子)
  テーマ設定は明確であるが、このテーマを今問うのはなぜなのだろうか。そのあたりの論者の問題意識の説明がほしいところである。

・レポート「松山高吉研究会の現状」 (岡田勇督)
 現在、松山高吉が残した膨大な資料の整理とデータ化を基盤にして、京都で進められつつある研究会のレポートである。日本のキリスト教史研究は、地道な資料との取り組みを基礎に、それをキリスト教史の中に適切に位置づけ、時代の中でその意義と限界を明らかにする作業となる。研究成果が公にされることが待たれる。

 本誌は、特集・論考の後に、連載が続く。そこにおいて、「キリスト教文化」の多岐わたる諸領域が扱われる。この号からの新連載として、次のものスタートした。
・「ボンヘッファーの実践神学(一)」 (橋本祐樹)
・「韓国キリスト教と宣教ステーション(一)」 (李容敏)
・「戦後文学と聖書(一)」 (長濱拓磨)

 最後に、世界各地からの「声」と「編集後記」。

 なお、編集後記の後の広告の頁の前に、「「安炳茂著作集」刊行のご案内」が掲載されている。
 民衆の神学の中心にあった、安炳茂の著作が全10巻+別巻という企画で、かんよう出版から刊行される。一時停滞していた「解放の神学」の再構築の動きとの関わりでも重要な企画である。
 この著作集刊行を記念した「公開講演とシンポジウム」が下記のように、開催される。

「二一世紀の民衆神学──日韓の神学的対話を求めて」
  特別講演:荒井献「イエスの問いかけに応えて──民衆神学の現代的意味」
  パネルディスカッション
・日時:6月25日(土)午後1時30分~4時30分
・会場:アプローズタワー13階(大阪梅田)
・主催:かんよう出版
・参加費:1,500円
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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