大学と人権

 大学という場所においては、人権という問題が複雑に問われるところである。わたくしも、人権委員を務めたり、あるいは組合の関係で、多くの人権問題に接してきた。訴える側に立ったり、訴えを審議したり、さらには訴えられる側にもなる。問題状況の複雑さを感じざるを得ない。というわけで、大学には人権に関する専門の窓口と部門がどうしても必要ということになる。そこでは、発生した人権問題に対応することはもちろん、それだけでなく、人権問題が発生しないような状況を生み出すためにさまざまな活動が行われる。代表的な活動は、人権の啓発活動であり、研修や講演など、多くの取り組みがなされている(それだけのことを行いながら、現状がなかなか改善されないのはどうしてだろうか)。
 啓発活動は、大学に関わる、たとえば、非常勤講師を対象にも行われる。わたくしが長年、非常勤講師として勤務している大谷大学でも、地道な人権委員会の活動が行われているが、その一つに、「人権センター叢書」の刊行配付がある。今回、配付を受けたのは、2014年度の第一回「〝人権問題を共に考えよう〟全学学習会」の講義録であり、叢書のVol.16である。

赤澤清孝
『悲しみを乗り越え、復興に挑む住民たち──宮城県沿岸被災地の今』
大谷大学人権センター、2015年3月。

「赤澤先生の講演では、ご自身が阪神・淡路大震災に遭われた経験も踏まえ、そこでのボランティアのあり方、被災地への関わり方から学んだことを生かして、どのように東日本大震災に関わっていったかをまずお話しいただきました。そのなかで、被災地とNPOをどのようにつないでいくかのプロジェクトについても紹介いただき、実際に被災された方と何か出来ないかと考えている人を繋ぐネットワークがいかに大切であるかを教えていただきました」。

 以上は、人権センター長の紹介文の一部です。

 人権問題とは、ハラスメント的な問題にとどまらず、このような問題にまで及んでおり、議論を蓄積し継承し、そして生かしていくということが求められている。「人権センター叢書」の試みには重要な意味がある。

 学会レベルでも、たとえば、日本宗教学会では、2016年9月の学術大会(早稲田大学)での研究発表の応募期間が終わり、現在は、プログラムの策定とパネル企画の審議が行われている。今年のパネル企画に応募したものの中には、東日本大震災や熊本地震を念頭においた企画がかなり含まれている。いずれの場面でも、人権の意識は欠くことができない。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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