立憲主義とキリスト教

 近代世界におけるキリスト教は、近代の民主主義の形成発展と密接な関わりをもってきた。特に有名なのは、イギリスからアメリカにかけての政治思想に対するキリスト教(いわゆるピューリタニズムを中心に)の関連である。この点は、すでに多くの研究が存在し、本ブログのテーマを追求する上でも参照されてきた。
 この近代の民主主義を取り巻く、あるいはそれと連動する問題として、自由主義、基本的人権、政教分離、三権分立、そして立憲主義という一連の思想・制度が存在する。その多岐にわたる組み合わせ・変奏が、近代国家の政治制度に大きな幅をもたらしてきた。その中で、立憲主義とは、法の支配による権力(近代形成期には主に王権)の抑制を基本理念とするものであるが、この法の支配は、キリスト教にとっては、教会法という問題、教皇至上主義と公会議主義との関わりなど、類似の関連する問題は少なくない。

 そこで、立憲主義の理解が求められることになるわけであるが、まずは、教科書とも言える次のものあたりから読み始めるのが適当だろうか。

佐藤幸治
『立憲主義について──成立過程と現代』(放送大学叢書)
左右社、2015年。

はじめに

第一章 現代の「憲法」(「立憲主義」)についての典型的な理解
第二章 「憲法」の意義・種別・分析的構造
第三章 「憲法」(「立憲主義」)の成立過程
第四章 アメリカ憲法の歴史的寄与
第五章 フランス革命の衝撃と成文憲法の普遍化
第六章 現代の「憲法」(「立憲主義」)への展開とその課題

おわりに

 キリスト教政治思想との関わりでは、第三章と第四章の歴史的整理はきわめて重要。

 もちろん、今回立憲主義を取り上げるのは、現在の日本の状況を念頭においてのことである。迫ってきた選挙の本当の争点の一つが立憲主義であることは、意識すべきものと言わねばならない。
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