京都ユダヤ思想学会より

 昨日、同志社大学を会場に、京都ユダヤ思想学会・第9回学術大会が開催された。午前の研究発表に続き、午後は「聖戦と十字軍 ―現代・歴史・一神教が交差するところ―」というテーマのもとにシンポジウムが開催された。わたしくは、午後からの参加となったが、午後のシンポジウムは100名を超える参加者があり、近年にない、盛況であった。
 基調講会者に、山内進さん、シンポジスに合田正人、小原克博、中田考、勝村弘也の各氏という豪華な顔ぶれのもと、手島勲矢さんの司会で、刺激的かつ充実したシンポジウムであった。
 わたくしに印象に残ったのは、次の点である(ほんの一部であるが)。

1.十字軍の歴史研究の進展によって、中世の教皇と国家との関係が明確に把握できること。11世紀から12世紀の教皇革命(聖職叙任権闘争)と続く、聖俗分離、またそれと並行するクリュニーの修道院改革、教会改革(グレゴリウス7世)、といったところで、教皇と国家・皇帝の力学が大きく変動した。「中世=教会支配」といった単純な見方は、大きな修正が必要である。

2.十字軍を理解するには、いわば広義の十字軍、つまり十字軍的な戦争と、狭義の厳密な十字軍とを区別する必要がある。

3.十字軍は中世の出来事であるが、それが位置する社会変動は近世から近代へと続くものであり、特に、イメージとしての、言説つとしての十字軍は、現代の政治状況を宗教との関わりで理解する上でも、重要な意味をもっている。

 また、この学術大会では、刊行されたばかりの学会誌『京都ユダヤ思想』第7号を手にすることができた。学会誌編集委員長という役職にある者として、ようやく、学会誌が遅れることなく刊行できる体制となり、ほっとしている。実務を担当された編集委員のみなさまの努力に感謝したい。
 内容の紹介も、いずれ行いたい。
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