アジア的伝統と環境論

 キリスト教的環境論(環境の神学・エコロジーの神学)を、日本において構築しようとするとき、日本を含めたアジアの伝統における環境に関わる伝統的思想を視野に入れることが必要になる。アジア的な自然理解を無視した日本における環境論は、それが「キリスト教的」であっても、伝統的な宗教文化方遊離した浅薄なものにならざるを得ないであろう。そこで、研究文献に依拠しつつ、アジアの宗教文化における環境・自然を把握する努力が必要なる。
 たとえば、次の文献はいかがであろうか。

J. Baird Calllicott and Roger T. Ames (eds.),
Nature in Asian Traditions of Thought. Essay in Environmental Philosophy,
State University of New York Press, 1989.

Preface
Foreword (Eugene C. Hargrove)

Introduction: The Asian Traditions as a Conceptual Resource for Environmental Philosophy (J. Baird Calllicott and Roger T. Ames)

I The Ecological World View: A Basis for Engagement
Pacific Shift (William Irwin Thompson)
Biology as a Cosmological Science (Harold J. Morowitz)
The Metaphysical Implications of Ecology (J. Baird Calllicott)

II The Chinese World View
The Continuity of Being: Chinese Visions of Nature (Tu Wei-ming)
Human/Nature in Nietzsche and Taoism (Graham Parkes)
On Seeking a Change of Environment (David L. Hall)
Putting the Te back into Taoism (Roger T. Ames)
Units of Change --- Units of Value (Robert C. Neville)

III The Japanese World View
The Japanese Concept of "Nature" (Hubertus Tellembach and Bin Kimura)
The Japanese Experience of Nature (David Edward Shaner)
Saigyo and the Buddihist Value of Nature (William R. LaFleur)

IV The Buddhist World View
The Jewel Net of Indra (Francis H. Cook)
Environmental Problematics (Kenneth K. Inada)
Toward a Middle Path of Survival (David J. Kalupahana)

V The Indian World View
A Metaphysical Grounding for Natural Reverence: East-West (Eliot Deutsch)
"Conceptual Resources" in South Asia for "Environmental Ethics" (Gerald James Larson)
Epilogue: One the Relation of Idea and Action (J. Baird Calllicott and Roger T. Ames)

Notes
Index

 アジアと言っても、日本が明確に取り上げられているとしても、東アジアと南アジアに限られている。それはそうとしても、アジア系の伝統を背景とした研究者が少ない。もちろん、これは時代的制約があるだろうし、この論集が企画編集されたさまざまな事情もあるだろう。
 しかし、アジア系の伝統を背景とした研究者が、アジア的な宗教文化の研究者としてアプリオリに優れているという判断が可能かについて、まず疑ってみるべきかもしれない。現代の日本の研究者が、わたくし自身を含めて、日本的伝統をどれほど理解しているだろうか、などなどと考えてしまう。
 
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