リベラル・デモクラシーをめぐるドイツ語圏の動向

 リベラル・デモクラシーは、19世紀以来、西欧世界の中心的な政治理論とともに展開し現在至っている。その批判的吟味も盛んであって、その代表者に、C・シュミットを挙げることができるだろう。このシュミットの議論は、その後の政治理論の多様な文脈に影響を及ぼしてきているが、ドイツ語圏での議論の展開はその重要な流れを構成している。
 こうした動向を理解することは、きわめて重要な研究テーマとなるが、それに対して興味深い研究文献が刊行された。

小山裕
『市民的自由主義の復権──シュミットからルーマンへ』
勁草書房、2015年。

はじめに

序章 市民的自由主義をめぐる攻防
0-1 市民社会と市民的なもの
0-2 カール・シュミットと市民的自由主義
0-3 実証主義批判の系譜

第1章 市民的自由主義と社会の科学
1-1 自由主義的法治国家の概念
1-2 自由主義社会学の構想
1-3 社会学と議会制

第2章 市民的自由主義の社会学的転換
2-1 社会学の概念
2-2 社会的文化の概念の含意
2-3 分化した公共体の概念

第3章 啓蒙批判と構造の概念
3-1 コミュニケイションと自由主義的自由
3-2 社会学啓蒙の背景
3-3 社会学的啓蒙

第4章 市民的自由主義の再解釈
4-1 公共性の意義転換
4-2 公共体の概念
4-3 機能分化社会の原像

第5章 リベラル・デモクラシーのシステム理論
5-1 社会理論における政治
5-2 コードの概念
5-3 オートポイエーシスとデモクラシーの概念

終章 結びに代えて

あとがき
参考文献
索引

 博士論文をもとにした著作であり、学説史的な把握もしっかりしている。これをほかの社会理論の動向に重ね、宗教を視野に入れるとどうなるかが、今後の課題か。

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