南原繁『国家と宗教』6c

 南原繁 『国家と宗教──ヨーロッパ精神史の研究』 の補論「カトリシズムとプロテスタンティズム」の「六」の3回目、みじかな部分ですが、前回の問題になった形而上学について南原の立場が示されます。これで、「六」は終わりです。あとは、この補論自体の議論から言えば、締めくくりの部分になります(内容的には、きわめて面白い部分ですが)。

「形而上学の問題と関連して」「その根本の原理と基礎については本書において述べておいた」(396)
「(なかんずく第二章第四節および第四章三二〇頁以下参照)」「著者の立場」
「著者は」「むしろヴンデルバンドやリッケルトらの西南学派に関心を持ち、その上にトレルチュやオイケン等に汲みつつも、何よりも乏しきみずからの体験と思索に基づいていささか努力をして来たのである」
「著者の立場が、単なる形式主義やいわゆる概念法学と相去こと遠く、かえって非理論的・非合理的なものが前提せられ、むしろ直接の経験内容から出発して、そのなかに理解されるべき叡知的意味内容の解明につとめるのは、文化哲学共通の特徴と称してよいであろう」(397)
「われわれは一方、文化の諸問題について、歴史的=具体的な内容を顧慮すると同時に、他方、普遍的理論によって、文化生活の普遍妥当的な意味を解釈しなければならず、すでにそのこと自体、事を抽象的に思惟する必然性を前提しているからである」(398)。

 トレルチとの関わりは、初期キリスト教理解から、カント主義に基づく形而上学まで、南原理解にとってかなり重要であることがわかる。
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