組織神学の現代的なかたち

 組織神学は、現在のキリスト教が置かれた状況では、なかなか成立が困難な神学的学問領域と言える。少なくとも、プロテスタント神学における伝統的な意味においてはそうである。しかし、さまざまな取り組みがなされていることも確かであり、新しい問題状況の中で、キリスト教神学を構築する営みは現在も進行中である。
 こうした試みの一つとして、プリンストン神学校で長年組織神学の教鞭をとり、現在名誉教授である、ミグリオリの組織神学書の前半が邦訳出版された。新たなキリスト教を取り巻く状況において(第三版では、「キリスト教徒とのイスラム教徒」を扱う第13章が加えられた)、改革派神学(カルヴァン/バルトのライン)を提示するものである。

D.L.ミグリオリ
『現代キリスト教神学──理解を求める信仰 上巻』
日本キリスト教団出版局、2016年(原著初版 1991年、第三版 2014年)。

第三版への序文
第二版への序文
初版への序文
謝辞
頻出引用文献

第1章 神学の歩み
第2章 啓示の意味
第3章 聖書の権威
第4章 三位一体の神
第5章 神の良き創造
第6章 神の摂理と悪の不可解さ
第7章 被造物、罪びと、そしてキリスト教における新しい存在としての人間
第8章 イエス・キリストの人格と業
第9章 文脈においてイエス・キリストを告白すること

上巻人名・事項索引
上巻聖句索引
 
(以上、上巻)

 以上の目次だけではわからないが、初版序文が、「過去素十年は、キリスト教神学にとって明らかに激動の時代であった。たくさんの新しい主張、提案、そして運動がこの時期に現れた。その中でも顕著なものとして、黒人神学、フェミニスト神学、ラテン・アメリカの解放の神学、プロセス神学、メタファーの神学といった名前を挙げることができる。またこの時期、先例のないほど、積極的にエキュメニカルな対話が試みられたし、神学的方法をめぐっても盛んに省察がなされてきた。」(11)、という書き出しで始まることからわかるように、本書は、現代のキリスト教の直面する状況を視野に入れたものなのである。

 
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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