キリスト教出版メディアの足跡から4

 現代日本におけるキリスト教出版メディアとして、これまでキリスト新聞社を取り上げてきたが、本ブログとして次に言及すべきは、新教出版社の月刊誌『福音と世界』である。
 雑誌の裏表紙によれば、第三種郵便に認可されたのが、1946年8月24日とあることから考えれば、70年の歴史のある月刊誌ということになる。わたくし自身は、ほぼ40年間定期講読しており、この雑誌の半ば強の歴史を共有しているわけであるが──はじめは読者として、最近は読者・執筆者として──、バックナンバーは、京都大学キリスト教学研究室に寄贈しており、そこで、大学院生などは、実際に手にとって見ることができる。この半世紀余りのキリスト教神学の歴史を辿る上での手掛かりになるだろう(これは、キリスト新聞の場合も同様である)。

 『福音と世界』に性格付けについては、さまざまな意見が存在するものと思われるが、プロテスタント・キリスト教におけるリベラルと呼ばれる流れに近いスタンスと言って大きくはずれてはいないように思われる(キリスト教におけるリベラストは何かが問題ではあるが)。あるいは、日本キリスト教団、NCCなどとの近さや、バルト、ボンヘッファー、モルトマンなどの神学者を挙げることもできるだろうか。
 月刊誌の場合、日刊・週刊とは異なり、出来事や状況の変化を逐一追跡することによりも、よりマクロな動向を意識し、特集や連載を企画する点に特色を見出すべきであろう。その意味では、月刊誌が、キリスト教に対して一定のスタンスを明確に有することは当然と言える。もちろん、執筆者の範囲を可能な限り広く設定し、しばしば付けられるレッテル(プロテスタント・キリスト教内の左の陣営に属しているとか)を乗り越える努力は必要である。最近の雑誌の企画には、こうした努力が十分に確認できる。

 日刊、週刊、月刊、季刊など、日本のキリスト教出版メディアも、さまざまな刊行物(メディア)を生み出してきているが、世界的な出版界の行き詰まり中で、新しい可能性を模索しつつあるとが、現時点の状況であろう。これは、キリスト教そのものの新しい可能性と別の事柄ではない。

 わたくしも、当面は、大学におけるキリスト教研究という視点から、キリスト教出版と関わり合いを継続してゆきたい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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