ローマ書を読む

 この4年あまり、大学での授業として、「ローマの信徒への手紙」(ローマ書)を、原典で読む演習を行っている。本来のわたくしの専門ではないと言えばないわけであるが(学生時代は、ギリシャ語の語学の授業を一年間受けたのち、オリゲネスの演習に7年間出席し、その後イエスの譬え研究を宗教言語論の関連で行った、いう程度のものに過ぎない)、キリスト教学のカリキュラムを削減される予算(非常勤枠の削減、常勤教員の充足の困難さ)の中で成立させるための窮余の策として、わたくしがギリシャ語原典演習を行うことになったわけである。(学生に新約学を専門にする院生が存在する場合には、集中講義で新約聖書学の授業を設定することになるが、そうでないと、非常勤講師枠を新約聖書学で使用することはなかなか難しい。)
 というわけで、2008年度から新約聖書演習をわたくしが担当という形で開始することになった。これまで、マルコ4章1節~20節、家族論関係箇所、政治神学関係書、というように、わたくしの研究テーマに関連した聖書箇所を取り上げ、2013年後からは、いよいよローマ書に挑戦することになった(ローマ書の演習は、京都大学で演習の仕上げとして挑戦すべきテーマである)。しかし、新約聖書学を専攻したわけではないため、演習ではさまざまな注解書などを参照しつつ、ゆっくり進むという方針がとられている。参加者にも、それぞれ注解書を担当いただいて、複数の注解書(5つ程度)を組み合わせながら演習は進められる(今後は、近代語訳聖書をそれぞれ分担いただくことも考えている)。
 今年度も、10月からの後期授業でローマ書演習が開始され、4章を読み上げることを目標としている(原典だけでなく、新約学の研究書も並行して講読する。今年は、David G. Horrellのパウロ研究入門書)。
 これまでは、注解書としては、ドイツ語圏のものは別にして、英語圏のものでは、ICCのクランフィールドの注解、日本語のものでは、松木治三郎 『ローマ人への手紙 翻訳と解釈』 などを演習中に参照してきたが、今年度は、新しい日本の注解書が刊行されたので、それも演習で参照する予定である(すでに購入済み)。

原口尚影
『ローマの信徒への手紙 上巻』
新教出版社、2016年10月。

 注解書とは、それぞれに個性的なものであり(一冊ですべてが完了するといった注解書は存在しない)、この新しい注解書もその点が楽しみである。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR