現代神学と性

 最近、仕事の関係上、現代神学について、それをどう捉えるかについて、考えることが少なくない。そのポイントの一つは、現代の「状況」をいかに捉え、それと神学的思惟との関わりを問うことである(ティリッヒ的には相関の方法)。現代世界・現代社会・現代思想といった「現代」の動きとまったく隔絶した「現代」神学はあり得ないからである。
 では、現代とは? たとえば、プロセス神学者カブは、現代神学の争点として、女性の聖職位授与を実例として挙げているが、これは、性(セックスとジャンダーを含め)をめぐる問題の一環であり、さらには現代社会の性をめぐる動向の中に位置している。
 本日の、朝日デジタルには、次のような記事が掲載されている。

女子制服、ズボン選べる学校 「当たり前」見直した校長(二階堂友紀)
<以下一部掲載>
「・・・
 高校の例ですが、選択制を導入することにした学校もあります。

 福岡県那珂川町の町立福岡女子商業高校は、来年度から私立に衣替えするのにあわせ、スカートとズボン、リボンとネクタイから選べるようにします。どちらか片方だけ使ってもいいし、両方買って気分や気候で使い分けることもできます。

 柴田晴夫校長が地域の人権研修で性的少数者について学び、「当たり前だと思っていたことを見直す必要がある」と感じたのがきっかけでした。もともと、自転車通学をしている生徒がスカートの下にジャージーをはいているのが気になって、「ズボンの方が動きやすいのではないか」と感じていたそうです。

 私服にすることも考えましたが、「学校アイデンティティーのためには制服が必要」と、制服は残して選択制にすることにしました。柴田さんは「女性はスカートと画一的に決めるのはおかしい。性的少数者かどうかに関わりなく、自由に選んでほしい」と話しています。
・・・
 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のボリス・ディトリッヒさんは今年5月、日本の学校と性的少数者について14都府県の当事者や支援者ら約100人から聞き取った結果を分析し、「日本には、男らしさ、女らしさに合致せよという非常に強い同調圧力がある」と話しました。男女別の制服は、その象徴に過ぎないのかもしれません。
・・・」

 キリスト教思想で現在さまざな仕方で問題化している「性」めぐる議論は、以上のような文脈と当然密接な関わりにある。この記事からは、 「性」の問題はたんなる「性だけ」の問題ではないことがわかる。
 たとえば、「学校アイデンティティーのためには制服が必要」ということ、集団・共同体のアイデンティティと服装の関わりは宗教理解にとってきわめて重要であり、儀礼や言語を含む象徴論の従来の議論とも無関係ではない。
 また、 「日本には、男らしさ、女らしさに合致せよという非常に強い同調圧力がある」ということ。これは、日本社会の問題の前に、日本のキリスト教の問題ということはないだろうか。教会共同体と同調圧力というテーマは重大かつ深刻である。キリストにおいて「一つ」の意味に関わるからである。

 以上のような仕方で、現代神学を論じるということを、最近具体的に考えつつある。まだまだ断片的であるが。
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